イベリコ豚(Iberico pig、スペイン語:Cerdo Ibérico)は、その風味豊かな脂肪と独特の旨みで世界的に有名な高級豚肉です。
このイベリコ豚の「原産国」は、極めて明確に スペイン です。
以下に詳しく解説します。
目次
原産国:スペイン

地理的背景
- イベリコ豚は主に スペインの南西部を中心に飼育されています。
- 代表的な地域
- エストレマドゥーラ州(Extremadura)
- アンダルシア州(Andalucía)
- カスティーリャ・イ・レオン州(Castilla y León)
- サラマンカ県(Salamanca)
- ウエルバ県(Huelva)
この地域は、「デエサ(Dehesa)」と呼ばれる独特な牧草地と森林地帯が広がっており、コルク樫(コルクガシ)や樫の木(ドングリの木)が豊富です。
この自然環境がイベリコ豚の飼育とその肉質に大きく寄与しています。
品種とその特性
イベリコ豚の品種
- イベリコ豚は、スペイン固有種の黒豚です。
- 正確には イベリア半島の在来種で、100%イベリコ種もしくは交雑種(通常はデュロック種との交配)として育てられます。
特徴
- 黒い皮膚と細い足(細く長い脚)、強靭な蹄(黒い蹄)を持つため「パタ・ネグラ(Pata Negra)=黒い足」とも呼ばれる。
- 高い脂肪浸潤(霜降り)とオレイン酸が豊富な脂が特徴。
- ドングリ(ベジョータ acorn)を食べて育つと脂が甘く、風味豊かになる。
なぜスペインが中心なのか?
歴史的背景
- 古代ローマ時代からすでにイベリア半島では豚の飼育が盛んだった。
- イベリコ豚はスペインの文化・食文化の一部として根付いている。
- 生ハム(ハモン・イベリコ)として世界中に輸出される代表的な産品。
法的保護と原産地表示
- EUの原産地名称保護制度(PDO, PGI)の対象となっている。
- スペイン国内法でもイベリコ豚とその製品(ハモン・イベリコなど)の表示や生産方法は厳しく規定されている。
ポルトガルにも存在?
ここで補足ですが、ポルトガルの一部(特にアレンテージョ地方)でも同じイベリコ系統の豚が飼育されています。
- ポルトガルでは「Porco Alentejano(アレンテージョ豚)」と呼ばれる。
- 元はイベリコ豚と同じルーツを持つ豚で、飼育方法や環境もよく似ている。
- ただし「イベリコ豚=スペイン原産」という国際的な認識が一般的です。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
原産国 | スペイン |
主な産地 | エストレマドゥーラ、アンダルシア、カスティーリャ・イ・レオンなど |
品種 | イベリコ種(Cerdo Ibérico) |
特徴 | 黒皮・黒蹄、脂の質が高くオレイン酸豊富、独特の風味 |
飼育環境 | デエサ(広大な樹木地帯)、ドングリ中心の飼育が多い |
歴史的意義 | 古代から続くスペインの食文化の象徴 |
以上、イベリコ豚の原産国についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。