「ちれ」とは、豚の脾臓(ひぞう)を指す部位で、やきとんにおいても使われることがあります。
脾臓は血液を貯蔵する臓器であり、そのため「ちれ」は独特の風味と食感を持っています。
ちれは、豚の内臓の中でも比較的珍しい部位であり、少し癖のある風味が特徴ですが、調理方法次第では非常に美味しくいただけます。
以下では、ちれの特徴ややきとんとしての使い方について詳しく説明します。
目次
ちれ(脾臓)の特徴
- 味: ちれは鉄分を多く含むため、レバーに似た独特の風味があります。しかし、レバーほどの強い癖はなく、血の旨味を感じることができる部位です。
- 食感: 柔らかい食感が特徴で、噛むとほろほろと崩れる感じがあり、舌触りが良いです。内部には血液が含まれているため、ややしっとりとした口当たりになります。
- 栄養価: ちれは鉄分やビタミンB12、ミネラルが豊富で、栄養価が非常に高い部位です。貧血予防などに効果があると言われています。
やきとんでの「ちれ」の使い方
ちれはやきとんの一部として焼き物にされることがあります。
適切な処理と味付けをすれば、独特の風味を楽しめます。
下処理
ちれは内臓系の部位なので、調理前に下処理を行うことが重要です。
以下は一般的な下処理方法です。
- 水洗い: ちれを冷水で丁寧に洗い、血液や余分な脂肪を取り除きます。
- 血抜き: 血の臭みを取り除くため、牛乳や塩水に数時間浸けると良いです。これによって独特の血なまぐさい匂いを和らげることができます。
- 切り分け: ちれは大きい場合、適当な大きさに切り分けて串に刺します。
味付け
ちれはそのまま焼いても美味しいですが、臭みが気になる場合は味付けを工夫します。
- 塩: ちれはシンプルに塩で焼くと、独特の風味が引き立ちます。塩は焼く直前に振るのがベストです。
- タレ: 少し甘めのタレ(醤油、みりん、砂糖など)を使うと、ちれの独特の風味とマッチしやすくなります。濃い目のタレは臭みをカバーし、さらに風味を引き立てます。
焼き方
- 火加減: ちれは柔らかい部位なので、中火~弱火でじっくり焼くのがおすすめです。火が強すぎると硬くなってしまうので、注意が必要です。
- 焼き時間: ちれはあまり長時間焼かず、表面に軽く焼き色がついたら完成です。内部がしっとりしている方が美味しく仕上がります。
ちれを美味しく食べるコツ

- 香味野菜との相性: ちれは少し癖のある風味を持っているため、ネギや大葉、ショウガ、ニンニクなどの香味野菜と合わせると、風味がさっぱりとして食べやすくなります。
- レモンやポン酢を使う: 焼き上がりにレモンを絞ったり、ポン酢を少量かけることで、脂っこさが軽減され、爽やかな味わいになります。
- 辛味調味料の使用: 七味唐辛子や一味唐辛子を軽く振ると、ちれの濃厚な風味とスパイシーな辛さが絶妙にマッチします。
ちれのアレンジレシピ
やきとん以外にも、ちれを使ったアレンジ料理があります。
以下はその一例です。
ちれの甘辛煮
- 材料: ちれ、醤油、みりん、砂糖、酒、ニンニク、ショウガ
- 作り方
- ちれを一口大に切り、下処理をしておきます。
- 鍋に油をひき、ニンニクとショウガを炒めて香りを出します。
- ちれを加えて軽く炒め、酒、醤油、みりん、砂糖を加えて煮込みます。
- 弱火でじっくり煮込むことで、ちれが柔らかく味がしみ込みます。
この甘辛煮はご飯との相性も良く、ビールなどの酒の肴としてもぴったりです。
まとめ
「ちれ」はやきとんの中ではあまり知られていない部位かもしれませんが、しっかりとした下処理と適切な焼き方をすれば、濃厚で深みのある味を楽しめる一品になります。
特に内臓好きの方にはおすすめの部位で、シンプルな塩焼きや甘辛いタレ焼きでその旨味を最大限に引き出すことがポイントです。
また、ちれは栄養価も高く、鉄分を豊富に含んでいるため、貧血予防などにも効果的です。
以上、やきとんのちれについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。