豚肉をおいしく蒸す時間や方法について

豚肉を蒸すと、焼いたり炒めたりする場合と比べて水分が失われにくく、しっとりとした食感に仕上げやすくなります。

油を多く使わなくても調理できるため、豚肉の脂やうま味を生かした料理を作りたいときにも適しています。

ただし、豚肉をおいしく安全に蒸すためには、蒸し時間だけで判断しないことが重要です。

必要な加熱時間は、豚肉の部位や重さだけでなく、肉の厚さ、形、温度、並べ方、蒸し器の大きさ、火力、蒸気量などによって変わります。

そのため、記載されている時間はあくまで加熱状態を確認し始める目安として使い、最後は中心部まで十分に火が通っているかを確認してください。

豚肉は、最も厚い部分の中心温度が75℃に達し、その状態が1分間以上続くように加熱することが基本です。

厚切り肉、かたまり肉、肉団子、蒸しハンバーグなどは見た目だけでは判断しにくいため、食品用の中心温度計を使うと確実です。

目次

豚肉の種類別に見る蒸し時間の目安

以下の時間は、蒸し器の中に十分な蒸気が上がってから数えた場合の目安です。

表示時間が経過したからといって、必ず加熱が完了しているとは限りません。

肉の最も厚い部分を確認し、必要に応じて追加で加熱してください。

しゃぶしゃぶ用の豚肉

しゃぶしゃぶ用の薄い豚肉は、一枚ずつ広げて蒸した場合、3~5分程度で状態を確認し始めます。

肉同士が重なっていると、重なった部分に蒸気が届きにくくなります。

できるだけ一枚ずつ広げるか、少しずつ位置をずらして並べてください。

野菜を巻いたり、複数枚を重ねたりした場合は厚みが増えるため、さらに加熱時間が必要です。

豚バラ肉や豚ロースの薄切り

厚さ2~3mm程度の豚バラ肉や豚ロースは、5~7分程度で加熱状態を確認します。

薄切り肉は短時間で火が通りやすい一方、蒸しすぎると縮んで硬くなることがあります。

肉を重ねすぎず、蒸気が全体に当たるように並べることが大切です。

豚肉と野菜を一緒に蒸す場合

キャベツ、白菜、もやし、玉ねぎ、きのこなどの上に薄切り豚肉を並べる場合は、7~10分程度が確認開始の目安です。

野菜の量が多い場合や、肉を何層にも重ねた場合は、中心部分まで蒸気が届くのに時間がかかります。

途中で肉を軽くほぐしたり、上下を入れ替えたりすると、加熱むらを抑えられます。

豚こま切れ肉

豚こま切れ肉は厚さや大きさが不ぞろいなため、6~10分程度で状態を確認します。

塊になったまま蒸すと、内側に火が通りにくくなります。

蒸す前に肉をほぐし、なるべく均一な厚さになるように広げてください。

途中で一度全体を混ぜると、加熱むらを防ぎやすくなります。

豚ヒレ肉

厚さ2~3cm程度に切った豚ヒレ肉は、10~15分程度が確認開始の目安です。

豚ヒレ肉は脂肪が少ないため、必要以上に加熱するとパサつきやすくなります。

塩や酒で軽く下味をつけ、片栗粉を薄くまぶしてから蒸すと、表面の乾燥を抑えやすくなります。

中心部まで火が通ったことを確認したら、すぐに蒸し器から取り出してください。

厚切りの豚ロース

厚さ1.5~2cm程度の豚ロースは、12~18分程度で中心温度を確認し始めます。

厚切り肉は、表面の色が変わっていても中心部が十分に加熱されていないことがあります。

最も厚い部分に中心温度計を刺し、75℃で1分間以上加熱できているかを確認してください。

十分に加熱できたら、清潔な皿に取り出して3~5分ほど休ませると、肉汁が落ち着きやすくなります。

豚肉の肉団子

直径3~4cm程度の肉団子は、10~15分程度が確認開始の目安です。

ひき肉料理は、肉の表面に付着していた細菌が内部まで入り込んでいる可能性があります。

表面の色だけではなく、中心部まで十分に加熱できているかを必ず確認してください。

肉団子を大きく作った場合は、その分だけ加熱時間が長くなります。

蒸しハンバーグ

厚さ2cm程度の蒸しハンバーグは、15~20分程度で中心温度を確認します。

ハンバーグは厚みがあり、内部に火が通りにくい料理です。

竹串を刺して出てくる肉汁の色は補助的な目安にはなりますが、それだけで安全性を判断することはできません。

中心温度計を使い、最も厚い部分が75℃で1分間以上になるように加熱してください。

豚肉のかたまり

豚肩ロースや豚バラなどのかたまり肉は、重量だけで蒸し時間を決めることができません。

同じ500gの肉でも、細長い形と厚みのある形では、中心部まで熱が届く時間が大きく異なります。

そのため、かたまり肉については一律に「何分」と決めず、中心温度を測りながら加熱してください。

蒸している途中でふたを何度も開けると蒸気が逃げて温度が下がるため、ある程度加熱してから確認するのがポイントです。

蒸し器を使った基本的な蒸し方

豚肉は調理直前まで冷蔵する

豚肉は、調理する直前まで冷蔵庫で保管してください。

薄切り肉を蒸す場合は、あらかじめ長時間室温に置いて常温へ戻す必要はありません。

冷蔵庫から取り出したら速やかに下ごしらえを行い、室温に長く放置しないことが大切です。

特に気温や室温が高い時期は、下ごしらえの直前まで冷蔵しておきましょう。

蒸気が上がってから豚肉を入れる

蒸し器には十分な水を入れ、ふたをして加熱します。

蒸気がしっかりと上がってから、豚肉を入れた皿やせいろをセットしてください。

蒸気が上がってから加熱を始めることで、加熱開始時の条件がそろい、蒸し時間を管理しやすくなります。

途中で空だきにならないよう、蒸す時間に応じた水量を確保してください。

豚肉を重ねすぎない

薄切り肉を何枚も重ねると、中心部に蒸気が届きにくくなります。

なるべく平らに広げ、肉同士が重なる場合も少しずつ位置をずらしてください。

一度に大量の肉を蒸すよりも、数回に分けたほうが均一に加熱しやすく、食感もよくなります。

ふたをして安定した火力で蒸す

豚肉を蒸し器に入れたら、ふたをして強めの中火で蒸します。

蒸気が激しく逃げるほど火力を強くする必要はありませんが、蒸気が途切れない程度の火力を保ってください。

ふたの裏についた水滴が料理に落ちるのを防ぎたい場合は、ふたを布巾で包む方法もあります。

ただし、ガス火を使用する場合は、布巾の端が火に触れると危険です。

布巾を使用するときは、端をふたの上で確実に固定し、火や加熱部分に触れないようにしてください。

中心部まで加熱できたか確認する

厚切り肉やかたまり肉は、食品用の中心温度計を最も厚い部分に刺して確認します。

骨付き肉の場合は、温度計の先端が骨に直接触れないようにしてください。

骨に触れると、肉の中心温度を正確に測れないことがあります。

温度計がない場合は、最も厚い部分を切り、中心に生のような部分が残っていないかを確認します。

肉汁が透明になっていることや、中心部の色が変わっていることも補助的な目安です。

ただし、肉の色や肉汁だけでは加熱状態を正確に判断できない場合があります。

特に厚切り肉、かたまり肉、肉団子、ハンバーグでは、中心温度計を使用するのが確実です。

フライパンで豚肉を蒸す方法

蒸し器がない場合は、ふた付きのフライパンでも豚肉を蒸せます。

野菜と薄切り豚肉を重ねて蒸す方法

フライパンにキャベツ、白菜、もやし、玉ねぎ、きのこなどを広げます。

その上に薄切り豚肉を重ならないように並べます。

酒または水を大さじ2~3杯程度加え、ふたをして中火にかけてください。

蒸気が上がったら弱めの中火にし、7~10分程度を目安に加熱します。

野菜の量や肉の厚さによって必要時間は変わるため、時間が経過したら肉をほぐし、中心部まで火が通っているかを確認してください。

野菜からも水分が出るため、水や酒を入れすぎないことがポイントです。

水分が多すぎると、蒸すというより煮る状態になり、味が薄まりやすくなります。

耐熱皿を使って蒸す方法

フライパンに蒸し台や耐熱性の網を置きます。

蒸し台がない場合は、耐熱性の小皿を逆さに置き、その上に豚肉を入れた耐熱皿を載せる方法もあります。

食材を入れた皿に水が入らない高さまで熱湯を注ぎ、ふたをして蒸してください。

蒸している途中で水が減った場合は、急激な温度低下を防ぐため、必要に応じて熱湯を足します。

空だきにならないよう、水量をこまめに確認してください。

電子レンジで豚肉を蒸す方法

電子レンジでも豚肉を蒸せますが、蒸し器やフライパンよりも加熱むらが起こりやすいため注意が必要です。

薄切り豚肉を電子レンジで蒸す手順

耐熱皿に野菜を敷き、その上に薄切り豚肉を一枚ずつ広げます。

豚肉100~150gに対して、酒を大さじ1杯程度振りかけます。

ふんわりとラップをかけ、600Wでまず2~3分加熱してください。

一度取り出して肉をほぐし、加熱されていない部分を皿の外側へ移動させます。

その後は30秒ずつ追加加熱し、全体に火が通るまで繰り返します。

加熱後はラップをしたまま1~2分置くと、余熱が全体に広がりやすくなります。

ただし、余熱だけで安全な加熱状態にしようとせず、追加加熱が必要かどうかを必ず確認してください。

電子レンジの出力、容器の形、食材の量、肉の温度によって必要時間は変わります。

記載されている時間だけで判断せず、肉が重なっていた部分や最も厚い部分を重点的に確認してください。

豚肉をやわらかく蒸すコツ

肉の厚さをそろえる

豚肉の厚さが不ぞろいだと、薄い部分が硬くなっても厚い部分には火が通っていないという状態になりやすくなります。

厚切り肉やヒレ肉を切る場合は、できるだけ厚さをそろえてください。

豚こま切れ肉も、大きな塊をほぐしてから並べると加熱しやすくなります。

酒を少量使う

豚肉に少量の酒を振ると、肉特有のにおいを和らげやすくなります。

薄切り肉150~200gに対して、大さじ1杯程度が使いやすい量です。

酒を入れすぎると水っぽくなるため、肉の表面が軽く湿る程度にしてください。

片栗粉を薄くまぶす

薄切り肉や豚こま切れ肉に片栗粉を薄くまぶすと、表面に膜ができ、水分が流れ出にくくなります。

豚肉200gに対して、片栗粉小さじ1~2杯程度が目安です。

粉を多くつけすぎると、べたついた食感になるため、全体に薄く行き渡る程度にします。

塩は量とタイミングを調整する

短時間で調理する場合は、蒸す直前に塩を振ると扱いやすくなります。

塩の量は、肉の重量に対して0.5~0.8%程度を目安にすると、味が濃くなりすぎにくくなります。

例えば、豚肉200gなら塩1~1.6g程度が目安です。

この数値は食品安全上の基準ではなく、味付け上の目安です。

部位に合った加熱をする

しっとりとした食感を重視する場合は、豚バラ肉や豚肩ロースが向いています。

脂肪が多いため、蒸してもコクが残りやすい部位です。

あっさりと仕上げたい場合は、豚もも肉や豚ヒレ肉が適しています。

ただし、脂肪が少ない部位は加熱しすぎるとパサつきやすいため、中心まで火が通ったら早めに取り出してください。

厚切り肉は加熱後に休ませる

厚切り肉やかたまり肉は、中心まで十分に加熱したことを確認してから蒸し器から取り出します。

清潔な皿に置き、アルミホイルを軽くかぶせて数分休ませると、肉汁が落ち着きやすくなります。

ただし、中心温度が不足した状態で余熱だけに頼るのは避けてください。

休ませる前に、安全な中心温度まで加熱できていることを確認します。

豚肉を蒸しすぎると硬くなる理由

豚肉を長時間加熱すると、筋肉を構成するたんぱく質が収縮し、肉の中の水分が外へ出やすくなります。

特に豚ロース、豚もも、豚ヒレなどの脂肪が少ない部位は、加熱しすぎると硬くなりやすい傾向があります。

やわらかく仕上げるためには、次の点を意識してください。

肉の厚さをそろえること。

蒸気が十分に上がってから加熱を始めること。

肉を重ねすぎないこと。

必要以上に長く蒸さないこと。

厚切り肉は中心温度を確認すること。

十分に加熱したあとは、速やかに蒸し器から取り出すこと。

一方で、豚バラ肉や豚肩ロースの大きなかたまりを箸で崩れるほどやわらかくしたい場合は、短時間で蒸す方法よりも、長時間の蒸し煮や煮込みが向いています。

蒸し豚に合うおすすめのたれ

ポン酢だれ

ポン酢に大根おろし、小ねぎ、白ごまを加えます。

豚バラ肉や豚ロースの脂をさっぱりと食べたいときに適しています。

お好みで七味唐辛子や柚子こしょうを加えてもよく合います。

ごまだれ

練りごま、しょうゆ、酢、砂糖、ごま油を混ぜます。

濃厚な味わいで、しゃぶしゃぶ用の豚肉や蒸し野菜と相性のよいたれです。

味が濃い場合は、水やだしで少しずつ薄めて調整してください。

ねぎ塩だれ

みじん切りにした長ねぎに、塩、レモン汁、ごま油、こしょうを混ぜます。

豚バラ肉や豚肩ロースなど、脂のある部位によく合います。

塩分が強くなりやすいため、塩は少量ずつ加えてください。

香味しょうゆだれ

しょうゆ、酢、砂糖、ごま油、おろししょうが、おろしにんにくを混ぜます。

香味野菜の風味によって、豚肉を食べ応えのある味に仕上げられます。

蒸しキャベツやもやしなどの野菜にもよく合います。

蒸した豚肉の保存方法

常温に長く放置しない

蒸した豚肉をすぐに食べない場合は、室温に長時間放置しないでください。

特に気温の高い時期は、短時間でも細菌が増殖しやすくなります。

保存する分は、清潔な箸やトングを使って取り分けましょう。

浅い容器に小分けする

大量の蒸し豚を深い容器にまとめて入れると、中心部の温度が下がりにくくなります。

保存するときは、清潔な浅い容器に小分けして熱を逃がしてください。

完全に冷えるまで室温に放置する必要はありません。

長時間室温に置かず、速やかに冷蔵または冷凍します。

再加熱は中心まで行う

冷蔵した蒸し豚を食べるときは、表面だけでなく中心まで十分に温めてください。

電子レンジを使う場合は、途中で肉の位置を変えたり、上下を返したりすると加熱むらを抑えられます。

保存期間が長いものや、におい、ぬめり、変色などの異常があるものは食べないでください。

豚肉の蒸し時間早見表

豚肉の種類肉の状態加熱状態を確認し始める目安
しゃぶしゃぶ用肉一枚ずつ広げる約3~5分
豚バラ・豚ロース薄切り厚さ2~3mm程度約5~7分
薄切り豚肉と野菜野菜の上に広げる約7~10分
豚こま切れ肉塊をほぐして並べる約6~10分
豚ヒレ肉厚さ2~3cm程度約10~15分
厚切り豚ロース厚さ1.5~2cm程度約12~18分
豚肉団子直径3~4cm程度約10~15分
蒸しハンバーグ厚さ約2cm約15~20分
豚肉のかたまり厚さや形状によって大きく変わる中心温度で判断

表の時間は、蒸気が十分に上がってから数えた場合の確認開始目安です。

豚肉の温度、厚さ、量、並べ方、蒸し器の性能などによって、実際に必要な時間は変わります。

表示時間が経過しても加熱が完了しているとは限りません。

最も厚い部分の中心温度が75℃に達し、その状態が1分間以上続くように加熱してください。

豚肉をおいしく蒸すためのまとめ

豚肉をおいしく蒸すためには、蒸気が十分に上がってから加熱を始め、肉を重ねすぎないことが重要です。

薄切り肉は加熱しすぎると硬くなりやすいため、目安時間が経過したら早めに状態を確認します。

一方、厚切り肉、かたまり肉、肉団子、蒸しハンバーグは、表面の見た目だけで判断しないことが大切です。

中心温度計を使い、最も厚い部分が75℃で1分間以上になるように加熱してください。

蒸し時間はあくまで確認を始める目安として使い、肉の厚さや量に合わせて調整することが、やわらかさと安全性を両立するポイントです。

以上、豚肉をおいしく蒸す時間や方法についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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