デミグラスソースは、肉や野菜のうま味、赤ワインの香りなどを生かした濃厚なソースです。
一般的には牛肉料理に使われることが多いものの、甘みや酸味を調整すれば豚肉にもよく合います。
豚肉は牛肉に比べて味わいがやさしく、脂に甘みがあるため、苦味や酸味を強くしすぎず、玉ねぎやケチャップ、バターなどを使ってまろやかに仕上げるのがポイントです。
なお、本格的なデミグラスソースは、フォンやブラウンソースを長時間煮込んで作ります。
この記事で紹介するのは、ケチャップや中濃ソースなどを使って家庭で手軽に作れる「デミグラス風ソース」です。
豚肉に合う基本のデミグラス風ソース
材料
豚肉2〜3人分に合わせやすい分量です。
- 玉ねぎ:2分の1個
- しめじまたはマッシュルーム:50〜80g
- バター:10g
- 小麦粉:大さじ1
- 赤ワイン:50ml
- 水または無塩のブイヨン:100ml
- ケチャップ:大さじ3
- 中濃ソース:大さじ2
- しょうゆ:小さじ1
- 砂糖:小さじ2分の1
- 顆粒コンソメ:小さじ2分の1
- こしょう:少々
- 塩:必要に応じて少々
ケチャップや中濃ソース、コンソメには塩分や甘みが含まれています。
砂糖と塩は最初から多く加えず、仕上げに味を確認して調整すると失敗しにくくなります。
赤ワインを使用しない場合は、同量の水または無塩のブイヨンで代用できます。
下準備をする
玉ねぎは薄切りにします。
しめじは石づきを取り除いて小房に分けます。
マッシュルームを使う場合は、薄切りにしてください。
水、ケチャップ、中濃ソース、しょうゆ、砂糖、コンソメは、あらかじめ混ぜ合わせておくとスムーズに調理できます。
玉ねぎときのこを炒める
フライパンにバターを入れ、弱めの中火で溶かします。
玉ねぎを加え、しんなりするまで丁寧に炒めます。
時間に余裕がある場合は、薄いきつね色になるまで炒めると、自然な甘みと香ばしさが増します。
玉ねぎがしんなりしたら、しめじまたはマッシュルームを加えます。
きのこから出る水分を飛ばすように、全体を混ぜながら炒めてください。
小麦粉を加える
玉ねぎときのこに火が通ったら、小麦粉を全体に振り入れます。
弱火にして、粉っぽさがなくなるまで1分ほど炒めます。
小麦粉を十分に炒めずに液体を加えると、粉の風味が残ったり、だまができたりすることがあります。
焦げないように、木べらや耐熱性のシリコンヘラで混ぜながら加熱しましょう。
赤ワインを加える
赤ワインを少量ずつ加え、フライパンの底をこするように混ぜます。
フライパンの底に付着したうま味も、ソースに溶かし込むようにしてください。
中火にし、刺激的なアルコール臭が弱まり、液量が少し減るまで煮立たせます。
加熱時間はフライパンの大きさや火力によって異なるため、時間だけでなく香りや煮詰まり具合を目安にしましょう。
アルコールを避けたい人や子どもが食べる場合は、赤ワインを使用せず、水やブイヨンで代用すると安心です。
調味料を加えて煮込む
あらかじめ混ぜておいた水、ケチャップ、中濃ソース、しょうゆ、砂糖、コンソメを加えます。
弱めの中火で混ぜながら、5〜8分ほど煮込みます。
ソースが水っぽい場合は、ふたをせずに少し煮詰めます。
反対にとろみが強すぎる場合は、水や無塩のブイヨンを少量ずつ加えて調整してください。
最後に味を確認し、必要に応じて塩とこしょうを加えたら完成です。
豚肉を焼いたフライパンで作る方法
豚肉に下味を付ける
豚ロースや豚肩ロースの両面に、塩とこしょうを振ります。
薄く小麦粉をまぶしておくと、表面が香ばしく焼け、ソースも絡みやすくなります。
ただし、ソースにも小麦粉を使用する場合は、とろみが強くなりすぎないように量を調整してください。
豚肉を中心まで加熱する
フライパンに少量の油を熱し、豚肉の両面を香ばしく焼きます。
厚切り肉は、強火だけで加熱すると表面が焦げ、中が生焼けになることがあります。
最初に中火で焼き色を付け、その後は火を弱めて中心まで十分に火を通しましょう。
豚肉は、中心温度75℃で1分間以上を目安に加熱してください。
見た目だけでは中心部の加熱状態を正確に判断しにくいため、厚切り肉の場合は中心温度計を使うと確実です。
加熱できた豚肉は、いったん皿に取り出します。
フライパンの脂を調整する
豚肉を焼いた後、フライパンに脂が多く残っている場合は、キッチンペーパーなどで一部を拭き取ります。
すべて取り除く必要はありません。
適度に残した肉汁や脂には、豚肉のうま味が含まれています。
ただし、黒く焦げた部分はソースの苦味につながるため、できるだけ取り除いてください。
同じフライパンでソースを作る
豚肉を焼いたフライパンに玉ねぎときのこを加え、基本の作り方と同様に調理します。
ソースが完成したら、豚肉をフライパンに戻します。
豚肉がすでに十分に加熱されている場合は、弱火で1〜2分ほどソースを絡めれば完成です。
豚肉の加熱が不十分な場合は、ソースに戻した後も中心温度75℃で1分間以上を目安に加熱してください。
加熱しすぎると豚肉が硬くなりやすいため、必要以上に長く煮込まないことも大切です。
デミグラス風ソースをおいしく作るポイント
玉ねぎを丁寧に炒める
豚肉用のデミグラス風ソースでは、玉ねぎの甘みが重要です。
玉ねぎをしっかり炒めることで、ケチャップや赤ワインの酸味が和らぎ、味に奥行きが生まれます。
短時間で作る場合でも、玉ねぎがしんなりするまでは炒めましょう。
より濃厚な味にしたい場合は、弱めの中火で時間をかけ、薄いあめ色になるまで炒めます。
ケチャップを軽く炒める
ケチャップは調味液に混ぜて加えるだけでも作れます。
より酸味を抑えたい場合は、玉ねぎときのこを炒めた後にケチャップを加え、弱火で30秒から1分ほど炒めてください。
ケチャップを軽く炒めることで、酸味が落ち着き、香ばしさも加わります。
焦げやすいため、火を強くしすぎないことが大切です。
砂糖は少量ずつ加える
豚肉にはやや甘めのソースが合います。
ただし、ケチャップや中濃ソースにも甘みがあるため、砂糖を入れすぎると全体が重い味になりがちです。
最初は砂糖を入れずに作り、味を見てから小さじ2分の1程度加えてもよいでしょう。
玉ねぎを十分に炒めた場合は、砂糖なしでも自然な甘みが出ます。
しょうゆでご飯に合う味にする
しょうゆを少量加えると、ソースに香ばしさとうま味が加わります。
洋風のソースでありながら、ご飯にも合わせやすい味になります。
ポークソテーや豚こま肉の炒め物に使う場合におすすめです。
ただし、しょうゆを多く入れると和風の味が強くなるため、小さじ1程度を目安にしてください。
バターでコクとつやを加える
ソースをより濃厚になめらかに仕上げたい場合は、火を止めてからバターを5gほど加えます。
余熱で溶かしながら混ぜると、香りとつやが出やすくなります。
豚バラ肉など脂の多い部位に合わせる場合は、重くなりやすいため、仕上げのバターを省いても構いません。
市販のデミグラスソースを使う方法
材料
- 市販のデミグラスソース:1缶または1袋
- 玉ねぎ:2分の1個
- しめじまたはマッシュルーム:50g
- 赤ワイン:50ml
- 水:適量
- ケチャップ:大さじ1
- しょうゆ:小さじ1
- バター:5〜10g
作り方
フライパンにバターを溶かし、玉ねぎときのこを炒めます。
赤ワインを加え、刺激的な香りが弱まるまで煮立たせます。
市販のデミグラスソース、ケチャップ、しょうゆを加え、弱火で5分ほど煮込みます。
市販品には、ストレートタイプや濃縮タイプなどがあります。
商品によって塩分や濃度が異なるため、パッケージの表示を確認してください。
水は最初から多く加えず、濃度や味を確認しながら少量ずつ調整しましょう。
市販品は塩味が強いこともあるため、最初から塩を加えないほうが失敗しにくくなります。
赤ワインなしで作る簡単デミグラス風ソース
材料
- 玉ねぎ:4分の1個
- バター:5g
- ケチャップ:大さじ3
- 中濃ソース:大さじ2
- しょうゆ:小さじ1
- 砂糖:小さじ2分の1
- 水または無塩のブイヨン:100ml
- 顆粒コンソメ:小さじ2分の1
作り方
玉ねぎを薄切りにし、バターでしんなりするまで炒めます。
ケチャップを加え、弱火で30秒ほど炒めます。
中濃ソース、しょうゆ、砂糖、水、コンソメを加えます。
弱めの中火で混ぜながら、3〜5分ほど煮詰めてください。
酸味が気になる場合は、砂糖をひとつまみ加えたり、仕上げにバターを少量加えたりすると、まろやかになります。
牛乳や生クリームを加える方法もありますが、一般的なデミグラス風ソースとは異なる、クリーミーな味わいになります。
牛乳や生クリームを使う場合は、火を弱めてから少しずつ加え、強く沸騰させないようにしましょう。
豚肉の部位に合わせたソースの調整方法
豚ロースに合わせる場合
豚ロースは赤身と脂身のバランスがよく、デミグラス風ソースとの相性に優れています。
基本の配合で作るだけでも、ポークソテーやポークステーキに合わせやすくなります。
仕上げに粒マスタードを小さじ1程度加えると、適度な酸味で味が引き締まります。
豚肩ロースに合わせる場合
豚肩ロースは脂とうま味が比較的多いため、赤ワインやきのこを使った濃厚なソースがよく合います。
赤ワインの香りときのこのうま味が、豚肩ロースのしっかりとした味を引き立てます。
黒こしょうをやや多めに加えるのもおすすめです。
豚ヒレ肉に合わせる場合
豚ヒレ肉は脂が少なく、淡泊な味わいが特徴です。
仕上げにバターや生クリームを少量加えると、まろやかで食べやすいソースになります。
生クリームを加えた後は、分離を防ぐために強く沸騰させないようにしてください。
豚バラ肉に合わせる場合
豚バラ肉は脂が多いため、甘みやバターを強くすると重い味になりやすくなります。
砂糖とバターを控えめにし、赤ワインや黒こしょう、粒マスタードなどで味を引き締めるとよいでしょう。
付け合わせにサラダやピクルスを添えると、さっぱりと食べられます。
豚こま切れ肉に合わせる場合
豚こま切れ肉には、赤ワインを使わない簡単なデミグラス風ソースがよく合います。
玉ねぎと一緒に炒めてソースを絡めれば、短時間でご飯に合うおかずを作れます。
薄切り肉は火を通しすぎると硬くなりやすいため、加熱できたら一度取り出し、ソースが完成してから戻すのがおすすめです。
おすすめのアレンジ
きのこデミグラス風ソース
しめじ、エリンギ、マッシュルームなどを合計100gほど使用します。
きのこのうま味が加わり、豚肉の脂の甘みを引き立てます。
きのこから出る水分でソースが薄くならないように、最初にしっかり炒めてください。
マスタード入りデミグラス風ソース
完成直前に粒マスタードを小さじ1〜2加えます。
適度な酸味と辛味が加わり、濃厚なソースでも後味が重くなりにくくなります。
豚ロースや豚肩ロースのソテーにおすすめです。
クリーム入りデミグラス風ソース
ソースが完成したら火を弱め、生クリームを大さじ1〜2加えます。
色がやや明るくなり、まろやかな味に仕上がります。
豚ヒレ肉や脂の少ない豚ロースによく合います。
生クリームを加えた後は、強く煮立たせないようにしてください。
トマト入りデミグラス風ソース
カットトマトやトマトジュースを加えると、酸味のある軽やかな味になります。
豚バラ肉や豚肩ロースなど、脂の多い部位と相性のよいアレンジです。
カットトマトを使用する場合は水分が多いため、通常より少し長めに煮詰めましょう。
チーズ入りデミグラス風ソース
完成したソースに、粉チーズやピザ用チーズを少量加えます。
チーズのコクが加わり、子どもにも食べやすい味になります。
チーズには塩分が含まれているため、しょうゆや塩の量を控えめにしてください。
ソースが失敗したときの対処法
酸味が強い場合
ケチャップや赤ワインの酸味が強く感じられる場合は、まず弱火で数分追加加熱します。
加熱することで酸味や刺激的な香りが落ち着くことがあります。
それでも酸味が強い場合は、砂糖をひとつまみずつ加えて調整してください。
玉ねぎのすりおろしやバターを少量加える方法もあります。
味が濃すぎる場合
水や無塩のブイヨンを大さじ1ずつ加え、味を調整します。
一度に多く加えると水っぽくなるため、少量ずつ加えることが大切です。
牛乳や生クリームで薄めることもできますが、味わいがクリーミーに変わります。
とろみが強すぎる場合
水や無塩のブイヨンを少量ずつ加えて伸ばします。
完成間際に赤ワインを加えると、酸味やアルコールの刺激が残りやすくなります。
とろみの調整だけが目的であれば、水やブイヨンを使うほうが簡単です。
とろみが足りない場合
まずは、ふたをせずに弱火で煮詰めてください。
煮詰めてもとろみが足りない場合は、バターと小麦粉を同量ずつ練ったブールマニエを少量加える方法があります。
急いでいる場合は、水溶き片栗粉でも調整できます。
ただし、片栗粉を入れすぎると粘りが強くなり、デミグラス風ソースらしい質感から離れやすくなります。
少量ずつ加え、加えるたびによく混ぜてください。
苦味がある場合
ソースに苦味が出る主な原因は、玉ねぎ、小麦粉、ケチャップ、赤ワインなどの焦がしすぎです。
軽い苦味であれば、ケチャップや砂糖、バターを少量加えることで和らぐ場合があります。
強い焦げ味が付いた場合は、完全に修正するのは困難です。
黒く焦げた部分をソースに混ぜ込まないことが、最も重要な対策です。
デミグラス風ソースの保存方法
冷蔵保存する場合
作ったソースは、鍋のまま室温で長時間放置しないでください。
清潔で底の浅い保存容器に小分けし、できるだけ速やかに温度を下げます。
必要に応じて、容器の底を氷水に当てて冷ますと効率的です。
十分に冷めたらふたをし、冷蔵庫で保存してください。
冷蔵保存は2日程度を目安とし、できるだけ早めに食べ切りましょう。
保存できる期間は、調理環境や冷蔵庫の温度、使用した材料などによって異なります。
食べる前には、全体が十分に熱くなるまで再加熱してください。
冷凍保存する場合
長く保存したい場合は、1回分ずつ小分けにして冷凍します。
冷凍保存の目安は2〜3週間程度です。
解凍するときは冷蔵庫で自然解凍するか、鍋や電子レンジを使って十分に加熱してください。
牛乳や生クリームを加えたソースは、冷凍すると分離しやすくなります。
冷凍する予定がある場合は、牛乳や生クリームを加える前の状態で保存し、食べる直前に加えるのがおすすめです。
食べないほうがよい状態
保存期間内であっても、異臭、変色、カビ、強い酸味、粘りなどの異変がある場合は食べないでください。
見た目やにおいに問題がなくても、保存方法に不安がある場合は無理に食べないことが大切です。
豚肉のデミグラスソースに合う付け合わせ
じゃがいも料理
マッシュポテトやフライドポテトは、濃厚なデミグラス風ソースとよく合います。
特にマッシュポテトはソースを絡めやすく、ポークソテーの付け合わせに適しています。
温野菜
ブロッコリー、にんじん、いんげん、カリフラワーなどの温野菜もおすすめです。
彩りがよくなり、料理全体の栄養バランスも整えやすくなります。
サラダやピクルス
脂の多い豚肉や濃厚なソースには、葉物野菜のサラダやピクルスを添えるとよいでしょう。
酸味やみずみずしさが加わり、後味をさっぱりさせられます。
ご飯やパン
しょうゆを少量加えたデミグラス風ソースは、白いご飯やバターライスによく合います。
赤ワインやバターを使った洋風のソースなら、パンを添えてソースを付けながら食べるのもおすすめです。
まとめ
豚肉に合うデミグラス風ソースは、玉ねぎ、ケチャップ、中濃ソース、赤ワインなどを組み合わせることで、家庭でも手軽に作れます。
豚肉のやさしい味や脂の甘みを生かすには、ソースの酸味や苦味を強くしすぎず、玉ねぎやバターでまろやかに仕上げることが大切です。
豚肉を焼いた後のフライパンでソースを作ると、肉汁や焼き付いたうま味も活用できます。
ただし、豚肉は中心温度75℃で1分間以上を目安に、中心部まで十分に加熱してください。
豚ロースには基本のソース、豚ヒレ肉にはクリーム入り、豚バラ肉には甘みやバターを控えたソースなど、部位に合わせて調整すると、よりおいしく仕上がります。
以上、豚肉に合うデミグラスソースの作り方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
