角煮を作ると、豚バラ肉から多くの脂が出ます。
この脂を適度に取り除くことで、角煮のコクを残しながら、重たすぎない食べやすい仕上がりにできます。
角煮の脂を取る方法はいくつかありますが、最も簡単で失敗しにくいのは、煮汁を一度冷やして表面の脂を固めてから取り除く方法です。
厳密には、煮汁に浮いた脂は市販の精製ラードとまったく同じものではありません。
調味料や水分、肉由来の成分が含まれる場合があるため、ここでは主に「豚脂」として説明します。
角煮の脂は冷やして固めると取りやすい
角煮を煮込んでいる最中は、豚バラ肉から出た脂が液体になって煮汁の表面に浮いています。
温かい状態でもお玉などですくえますが、細かく広がった脂まできれいに取り除くのは簡単ではありません。
そこでおすすめなのが、角煮を冷蔵庫で冷やす方法です。
冷やすと脂が白く固まる
豚の脂は冷えると白く固まります。
角煮を冷蔵すると、煮汁の表面に白い板状または塊状の脂ができます。
十分に固まったら、スプーンやヘラなどを使って脂を持ち上げるように取り除きます。
液体の状態ですくうよりも煮汁を無駄にしにくく、脂だけを効率よく取り除けるのがメリットです。
冷蔵するときは長時間室温に放置しない
角煮を冷ます際は、完全に冷えるまで何時間も室温に置いておくのは避けましょう。
特に大きな鍋で大量に作った場合は、中心部の温度が下がるまで時間がかかります。
火を止めた後は必要以上に室温へ放置せず、粗熱が取れたら浅めの保存容器などに分け、速やかに冷蔵庫へ入れると安全です。
鍋ごと冷蔵する場合も、大量に入った深い鍋では冷却に時間がかかるため、小分けできる場合は分けたほうが適しています。
一晩冷蔵すると脂をさらに取りやすい
時間に余裕がある場合は、角煮を一晩冷蔵する方法がおすすめです。
一晩しっかり冷やすことで、表面の脂が厚く固まり、まとまった状態で取り除きやすくなります。
翌日に仕上げると作業しやすい
たとえば、次のような流れで作ると効率的です。
1日目に角煮を煮込み、粗熱を取って冷蔵します。
翌日、表面に固まった脂を取り除いてから再加熱します。
この方法なら、脂を簡単に除去できるうえ、煮汁と肉の味がなじんだように感じやすくなります。
ただし、「冷やせば必ず肉の中心まで味が染み込む」と単純に考える必要はありません。
再加熱や煮汁の濃度、肉の状態なども味の感じ方に影響します。
参考サイト
煮込み料理を楽しむために~ウェルシュ菌による食中毒にご注意を!!~|農林水産省
すぐに食べたい場合はお玉で脂をすくう
角煮をその日のうちに食べたい場合は、冷蔵庫で完全に冷やさなくても脂を減らせます。
火を止めてから脂を集める
煮込みが終わったら、いったん火を止めて煮汁を落ち着かせます。
沸騰している状態では脂と煮汁が動いて混ざりやすいため、少し置いて表面に脂が集まるのを待つとすくいやすくなります。
お玉を深く沈めず、煮汁の表面ギリギリに当てます。
表面に浮いている透明な脂だけをお玉へ流し込むようにすると、煮汁を必要以上に捨てずに済みます。
小さめのお玉やスプーンが便利
細かく脂を取りたい場合は、大きなお玉よりも小さめのお玉やスプーンのほうが扱いやすいです。
鍋の形によっては、脂が自然に一か所へ集まる場所を狙ってすくうと効率よく取り除けます。
熱い鍋を無理に傾けるとやけどの危険があるため、安全を優先してください。
キッチンペーパーで表面の脂を取る方法
お玉ですくった後に薄く脂が残っている場合は、キッチンペーパーを使う方法もあります。
表面に軽く触れさせる
火を止めた状態で、キッチンペーパーを煮汁の表面へ軽く触れさせます。
表面に浮いている脂を吸着したら、すぐに持ち上げます。
長時間浸してしまうと脂だけでなく煮汁まで吸ってしまうため、短時間で行うのがポイントです。
キッチンペーパーを煮汁の中へ深く沈める必要はありません。
下茹でしておくと最初から脂を減らせる
角煮をさっぱり仕上げたい場合は、完成後に脂を取るだけでなく、調理前にある程度脂を落としておく方法も有効です。
豚バラ肉を先に下茹でする
豚バラ肉を大きめに切り、水や湯で下茹でします。
下茹ですることで、豚肉から脂やアクなどが湯へ出ます。
その後、肉を取り出して下茹での湯を捨て、改めて調味料を使って煮込むと、脂っこさを抑えやすくなります。
ただし、脂を落とそうとして必要以上に長時間茹でると、肉の風味まで湯へ流れやすくなります。
仕上がりの好みに応じて加減しましょう。
豚バラ肉を焼いてから煮込む方法もある
下茹でとは別に、豚バラ肉をフライパンで焼いてから煮込む方法もあります。
焼くことで一部の脂を先に出せる
油をひかずに豚バラ肉を焼くと、脂身から脂が溶け出してきます。
出てきた脂を取り除いてから煮込めば、煮汁へ入る脂の量をある程度減らせます。
また、肉の表面に焼き色がつくため、香ばしい風味を加えられるのもメリットです。
角煮の脂はすべて取り除かなくてもよい
角煮をさっぱり仕上げたいからといって、脂を完全に取り除く必要はありません。
豚の脂は、角煮のコクや口当たりにも関係しています。
好みに合わせて脂の量を調整する
脂っこい料理が苦手な場合は、表面に厚く固まった脂をしっかり取り除くとよいでしょう。
一方で、濃厚な角煮が好きな場合は、薄く残った脂まで完全に除去する必要はありません。
「厚い脂の層は取り除き、少量は残す」程度でも十分です。
取り除いた豚脂は料理に使える
角煮から取り除いた脂は、状態によっては料理に再利用できます。
炒め物やチャーハンに使える
特に、味付け前の下茹でや焼き付けで出た比較的きれいな豚脂は、炒め油として使いやすいです。
少量を使うと、チャーハンや焼きそば、野菜炒めなどに豚肉ならではのコクを加えられます。
煮汁から取った脂は保存に注意する
完成した角煮の煮汁から取り除いた脂には、醤油や砂糖、酒などの調味料や水分、肉由来の成分が混ざっている場合があります。
そのため、市販の精製ラードと同じような保存性があるとは考えないほうが安全です。
再利用する場合は清潔な容器に入れて冷蔵し、できるだけ早めに使い切りましょう。
においや見た目に異常がある場合は使用しないでください。
角煮の脂を上手に取るおすすめの手順
脂っこくなりすぎない角煮を作りたい場合は、次の流れが取り入れやすいです。
1. 豚バラ肉を下茹でまたは焼き付ける
最初にある程度余分な脂を落としておきます。
2. 調味料を加えて角煮を煮込む
好みの味付けで肉がやわらかくなるまで煮込みます。
3. 粗熱を取ったら速やかに冷蔵する
長時間室温に放置せず、必要に応じて浅い容器へ移して冷蔵します。
4. 表面に固まった脂を取り除く
十分に冷えると、表面に白い脂が固まります。
スプーンやヘラで取り除きます。
5. 再加熱して仕上げる
脂を取り除いた後、角煮を十分に再加熱して味を調えます。
角煮のラードを取るなら冷やす方法がおすすめ
角煮の脂を最も簡単に取り除きたい場合は、一度冷蔵して脂を固める方法がおすすめです。
温かい状態で無理にすべての脂をすくうよりも、冷やして白く固めたほうが、煮汁を無駄にせず脂だけを取り除きやすくなります。
時間がない場合は、お玉やキッチンペーパーを使って表面の脂を取り除く方法でも対応できます。
また、下茹でや焼き付けを組み合わせれば、最初から煮汁へ入る脂の量を減らすこともできます。
角煮のコクを残したい場合は脂を完全に除去する必要はないため、好みの仕上がりに合わせて取り除く量を調整するとよいでしょう。
以上、角煮のラードの上手な取り方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
