豚バラブロックは、角煮を作るのに適した部位です。
赤身と脂身が層になっているため、時間をかけて加熱すると、赤身はほろっとやわらかく、脂身はとろりとした食感に仕上がります。
ただし、おいしい角煮を作るには、単に長時間煮込めばよいわけではありません。
豚肉を適度な大きさに切り、下茹ででやわらかくしたあとに味付けすることで、脂っこさを抑えながら味のバランスを整えやすくなります。
ここでは、豚バラブロックを使った基本的な角煮の作り方や、やわらかく仕上げるコツについて詳しく紹介します。
豚バラブロックが角煮に向いている理由
豚の角煮には、一般的に豚バラ肉がよく使われます。
豚バラ肉は赤身と脂身が層になっているため、長時間加熱しても比較的パサつきにくいのが特徴です。
じっくり加熱すると、脂肪が溶け出すだけでなく、肉に含まれる結合組織もやわらかくなっていきます。
その結果、箸でも切り分けやすい、やわらかな角煮に仕上げることができます。
一方で、豚バラ肉は脂の多い部位でもあります。
そのため、下茹でや焼き付けなどによって余分な脂を取り除くと、重たくなりすぎず食べやすい仕上がりになります。
豚バラ角煮の基本的な材料
3〜4人分を作る場合、材料の目安は次のとおりです。
- 豚バラブロック:約600g
- 長ねぎの青い部分:1本分
- 生姜:1片
- 水:適量
- 酒:100ml
- 砂糖:大さじ2〜3
- しょうゆ:大さじ3〜4
- みりん:大さじ2
- ゆで卵:好みで3〜4個
調味料の分量はあくまで一例です。
煮汁の量や煮詰め具合によって味の濃さが変わるため、最後に味見をしながら調整すると失敗しにくくなります。
甘めの味付けが好きな場合は砂糖を少し増やし、すっきりした味にしたい場合は砂糖を控えめにするとよいでしょう。
豚バラブロックで角煮を作る方法
豚バラブロックを大きめに切る
まず、豚バラブロックを4〜5cm程度の大きさに切ります。
煮込むと肉は縮むため、完成時に食べたい大きさよりも少し大きめに切るのがポイントです。
小さく切りすぎると、長時間加熱した際に崩れやすくなったり、食べ応えが少なくなったりする場合があります。
豚肉の表面を焼く
香ばしい風味を加えたい場合は、下茹での前に豚肉の表面を焼きます。
フライパンを中火で熱し、豚バラ肉を並べて全面に軽く焼き色を付けます。
豚バラ肉から脂が出てくるため、基本的には油をひかなくても調理できます。
焼いている途中で多くの脂が出てきた場合は、キッチンペーパーなどで適度に取り除きましょう。
焼き付けは必須ではありません。
あっさりした味にしたい場合や、焼き目を付けたくない場合は、そのまま下茹でしても問題ありません。
豚肉を下茹でする
豚肉を鍋に入れ、肉が十分に浸かる程度の水を加えます。
長ねぎの青い部分と薄切りにした生姜を加え、火にかけます。
沸騰したら火を弱め、表面が静かに揺れる程度の状態を保ちながら煮ます。
時間の目安は1〜2時間程度です。
ただし、必要な時間は肉の大きさや厚さによって異なります。
時間だけで判断するのではなく、竹串を刺したときに大きな抵抗なく入る程度までやわらかくするのが目安です。
アクや余分な脂を取り除く
下茹でしていると、表面にアクや脂が浮いてきます。
アクが多い場合は、適宜取り除きましょう。
煮汁を後から利用する場合は、特にアクや脂を丁寧に取り除いておくと、すっきりした味に仕上がります。
下茹でした豚肉に味を付ける
調味料を加える
豚肉が十分にやわらかくなったら、味付けを行います。
鍋に豚肉を入れ、酒、砂糖、しょうゆ、みりんを加えます。
さらに、水または脂を取り除いた下茹で汁を加えます。
豚肉が完全に沈むほど大量の煮汁は必要ありません。
肉の半分から3分の2程度が浸かるくらいを目安にし、落とし蓋を使うと全体に味が回りやすくなります。
下茹で後に味付けする理由
角煮では、最初から濃い調味液で長時間煮るよりも、まず豚肉を十分にやわらかくしてから味を付ける方法が作りやすいです。
これは、「しょうゆを入れると必ず肉が硬くなる」という単純な理由ではありません。
先に肉をやわらかくしておけば、その後の味付け時間を短くできるため、煮汁が必要以上に濃くなったり、煮詰まりすぎたりするのを防ぎやすくなります。
肉のやわらかさと味の濃さをそれぞれ調整しやすい点が、この方法のメリットです。
弱火で煮込む
煮汁が沸騰したら火を弱め、落とし蓋をして30〜60分程度煮ます。
激しく沸騰させる必要はありません。
強火で煮続けると、煮汁が急速に減ったり、肉が崩れたり、味が濃くなりすぎたりする可能性があります。
煮汁が静かに対流する程度の火加減を保つことが大切です。
途中で肉を上下に返すと、味が均一になじみやすくなります。
やわらかい角煮に仕上げるコツ
時間をかけて加熱する
角煮をやわらかくするためには、適度な温度で時間をかけて加熱することが重要です。
豚バラ肉には脂肪だけでなく結合組織も含まれており、長時間加熱することでコラーゲンが変化し、肉がほぐれやすくなります。
単純に強火で短時間煮るのではなく、穏やかな火加減でじっくり加熱することが、とろっとした食感につながります。
煮汁を煮詰めすぎない
照りを出すために煮汁を煮詰めることはありますが、煮詰めすぎると塩味や甘味が強くなりすぎる場合があります。
煮汁が少し濃くなり、肉の表面に絡む程度になったら、味見をしながら火を止めましょう。
味が濃すぎる場合は、水や酒を少量加えて調整できます。
とろとろの角煮に仕上げる方法
よりやわらかな角煮にしたい場合は、下茹で時間を長めに取ります。
弱火で2時間前後煮込むと、肉の状態によってはかなりやわらかくなります。
ただし、時間だけで判断せず、竹串や箸で肉の状態を確認することが大切です。
竹串がスッと入り、肉を箸で押したときにほぐれそうなくらいになれば、十分にやわらかくなっています。
脂っこくならない角煮の作り方
焼いたときに出た脂を取り除く
豚肉を焼く場合は、フライパンに出てきた脂をそのまま煮汁へ入れないようにします。
余分な脂をあらかじめ取り除いておくことで、角煮特有のコクを残しながらも、重たさを抑えやすくなります。
一度冷やして脂を取り除く
さらに脂を減らしたい場合は、下茹で後や完成後に一度冷やす方法もあります。
冷蔵庫で十分に冷やすと、表面の脂が白く固まります。
固まった脂をスプーンなどで取り除けば、煮汁をすっきりさせることができます。
ただし、鍋を長時間常温に放置するのは避けましょう。
保存する場合は、粗熱を取ったあと速やかに冷蔵し、食べる際には十分に温め直すことが大切です。
ゆで卵を角煮に加える場合
豚の角煮には、ゆで卵もよく合います。
ゆで卵を加える場合は、肉と同じ時間だけ煮込む必要はありません。
長時間煮続けると、卵白が硬くなりやすいためです。
味付けの後半に加えるか、角煮を煮終えたあとに煮汁へ浸しておくとよいでしょう。
煮汁に浸したまま時間を置くことで、調味料が卵になじみ、味の付いた煮卵になります。
大根を加えるのもおすすめ
角煮に大根を加えると、豚肉のうま味を含んだ煮汁が大根になじみ、食べ応えのある一品になります。
大根は、あらかじめ下茹でしてから加えると、やわらかく仕上がりやすくなります。
豚肉と大根を最初から同じ時間煮る必要はなく、豚肉がある程度やわらかくなってから加えても問題ありません。
味が薄い場合の調整方法
角煮の味が薄い場合は、完成直前にしょうゆを少量ずつ加えます。
一度に大量に加えると塩辛くなる可能性があるため、小さじ1程度ずつ加えて味見をすると調整しやすくなります。
甘みを強くしたい場合は、砂糖やみりんを少量加えます。
反対に味が濃くなりすぎた場合は、水や酒を加え、少しずつ味を調整するとよいでしょう。
角煮は作り置きにも向いている
角煮は、作った直後だけでなく、一度冷蔵してから温め直してもおいしく食べられる料理です。
煮汁に浸しておく時間が長くなることで、肉と煮汁の味がなじみやすくなります。
また、冷蔵すると表面の脂が固まるため、余分な脂を取り除きやすくなるのもメリットです。
前日に作って冷蔵し、翌日に脂を取り除いて温め直す方法もあります。
ただし、保存する際は常温で長時間放置せず、粗熱が取れたら速やかに冷蔵するようにしましょう。
豚バラ角煮に合う付け合わせ
豚バラ角煮は甘辛く濃厚な味になりやすいため、さっぱりした野菜を添えるとバランスがよくなります。
たとえば、青梗菜、小松菜、ほうれん草、白髪ねぎなどがおすすめです。
からしを少量添えるのも定番です。
からしの辛味が豚バラ肉の脂のコクを引き締め、最後まで食べやすくしてくれます。
豚バラブロックでおいしい角煮を作ろう
豚バラブロックで角煮を作るときは、「切る」「下茹でする」「やわらかくする」「味を付ける」という順番を意識すると失敗しにくくなります。
特に重要なのは、味付けをする前に豚肉を十分にやわらかくしておくことです。
豚バラ肉は脂の多い部位ですが、焼き付けや下茹でによって余分な脂を取り除けば、濃厚でありながら食べやすい角煮に仕上げられます。
また、強火で急いで仕上げるのではなく、弱火で時間をかけて加熱することも重要です。
火加減や煮込み時間、煮汁の濃さを調整しながら作れば、家庭でも箸でほぐれるほどやわらかな豚バラ角煮を楽しめます。
以上、豚バラブロックで作る角煮についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
