土鍋で角煮を作る魅力とは
土鍋で角煮を作ると、弱火でじっくり加熱しやすく、豚肉をやわらかく仕上げやすいのが魅力です。
土鍋は一度温まると冷めにくく、火を止めたあともしばらく高い温度を保ちやすいため、余熱を利用した煮込み料理に向いています。
角煮は強火で激しく煮立てるよりも、穏やかな火加減で時間をかけて加熱することが大切です。
そのため、保温性に優れた土鍋は角煮と相性のよい調理器具といえます。
ただし、土鍋を使えば必ず短時間で肉がとろとろになるわけではありません。
豚肉の大きさや厚み、加熱時間などによって仕上がりは変わるため、時間だけでなく肉のやわらかさを確認しながら調理することが重要です。
土鍋は余熱を活用しやすい
土鍋の特徴のひとつが、高い保温性です。
煮込み途中で火を止めても鍋の中はすぐには冷めないため、余熱を利用して豚肉へ穏やかに火を通せます。
一定時間加熱したあとに火を止めて休ませ、必要に応じて再び弱火で加熱すると、土鍋の特徴を生かしながら角煮を作れます。
ただし、余熱はあくまで調理を補助するものです。
肉がまだかたい場合は、再び火にかけて十分にやわらかくなるまで加熱しましょう。
煮汁に浸して休ませると味がなじみやすい
角煮は、煮込んでいる時間だけでなく、煮汁に浸して置いておく時間も大切です。
加熱後に豚肉を煮汁に浸したまま休ませることで、時間の経過とともに味が全体になじみやすくなります。
一度冷ましてから再び温める方法もおすすめです。
煮汁と肉の味がまとまり、作りたてとはまた違ったおいしさを楽しめます。
土鍋で作る角煮の基本的な材料
家庭で作りやすい豚バラブロック500〜600gを使った場合の材料の目安は、次のとおりです。
4人分程度の材料
・豚バラブロック……500〜600g
・長ねぎの青い部分……1本分
・しょうが……1片
・水……適量
・酒……100ml
・しょうゆ……大さじ4
・砂糖……大さじ3
・みりん……大さじ2
・ゆで卵……4個程度
・からし……好みで適量
味付けは好みに応じて調整できます。
甘めの角煮にしたい場合は砂糖やみりんを少し増やし、すっきりした味わいにしたい場合は砂糖を控えめにするとよいでしょう。
煮汁に使う水や下ゆで汁の量によっても味の濃さは変わります。
最初から濃くしすぎず、最後に煮詰めながら調整するのが失敗しにくい方法です。
参考サイト
ぶた[大型種肉]ばら 脂身つき 生|食品成分データベース(文部科学省)
土鍋で角煮を作る基本的な手順
豚バラ肉を大きめに切る
豚バラブロックは、4〜5cm角程度を目安に切ります。
豚肉は加熱すると縮むため、最初から小さく切りすぎると完成時のボリュームがなくなってしまいます。
「少し大きいかな」と感じる程度に切っておくと、角煮らしい食べ応えを残しやすくなります。
豚肉の表面を焼く
フライパンを熱し、豚バラ肉の脂身側から焼きます。
豚バラ肉から脂が出てくるため、基本的には油を引かなくても構いません。
脂身から出た油を利用して、肉の全面に軽く焼き色を付けます。
表面を焼くことで香ばしい風味が加わり、角煮の味に奥行きが出ます。
また、焼いている途中で余分な脂もある程度落とせます。
ただし、この工程は必須ではありません。
よりあっさりした味わいにしたい場合は、焼かずにそのまま下ゆでしてもよいでしょう。
土鍋で豚肉を下ゆでする
焼いた豚肉を土鍋に移し、肉がしっかり浸かる程度の水を加えます。
長ねぎの青い部分と薄切りにしたしょうがも加えます。
中火程度でゆっくり温め、沸騰してきたら弱火にします。
表面に浮いてくるアクや脂を取り除きながら、30〜60分程度を目安に穏やかに下ゆでします。
ただし、加熱時間は豚肉の大きさによって変わります。
時間だけで判断せず、竹串などを刺して肉の状態を確認してください。
まだかなりかたい場合は、そのまま弱火で加熱を続けます。
火を止めて余熱を利用する
ある程度豚肉に火が通ったら、火を止めて土鍋にふたをします。
30分程度を目安に休ませると、土鍋に残った熱を利用して穏やかに火を通せます。
ただし、余熱だけで十分にやわらかくならないこともあります。
竹串がスッと入る程度になることを目安にし、かたい場合は再び弱火で加熱してください。
下ゆで後は余分な脂を取り除く
下ゆで汁の脂を整理する
豚肉を下ゆでしたあとの汁には、多くの脂が浮いている場合があります。
そのまま調味料を加えると、仕上がりが脂っぽく感じられることがあります。
さっぱりした角煮にしたい場合は、浮いた脂をお玉などで取り除きましょう。
時間に余裕がある場合は、下ゆで汁を冷ます方法もあります。
冷えると脂が白く固まるため、取り除きやすくなります。
下ゆで汁そのものには豚肉のうま味も含まれているため、脂を取り除いたあと煮汁として利用することもできます。
下ゆでは必須ではないが、脂を抑えたい場合に効果的
角煮にはさまざまな作り方があり、必ず下ゆでしなければならないわけではありません。
豚肉を焼いてから直接調味料で煮る方法もあります。
ただし、豚バラ肉は脂が多い部位なので、下ゆですることで余分な脂やアクを取り除きやすくなります。
こってりしすぎない角煮にしたい場合は、丁寧に下ゆでするのがおすすめです。
調味料を加えて土鍋で煮込む
煮汁を作る
下ゆでした豚肉を土鍋に戻し、酒、砂糖、しょうゆ、みりんを加えます。
必要に応じて水や脂を取り除いた下ゆで汁も加えてください。
豚肉全体が完全に煮汁へ沈んでいなくても問題ありません。
肉の半分以上が浸かる程度を目安にし、途中で上下を返すと均一に味を付けやすくなります。
落としぶたを使えば、少ない煮汁でも肉の上部まで煮汁を回しやすくなります。
弱火で穏やかに煮込む
土鍋を中火程度にかけ、煮汁が温まってきたら弱火にします。
煮汁の表面が軽くふつふつする程度の火加減を保ちながら、30〜40分程度を目安に煮込みます。
途中で数回豚肉の上下を返すと、全体に味がなじみやすくなります。
角煮は、強く沸騰させれば早くやわらかくなるわけではありません。
激しく煮立て続けると肉が崩れたり、煮汁が急激に減ったり、砂糖を含む煮汁が焦げたりすることがあります。
特に土鍋は保温性が高いため、煮立ったあとは弱火でも十分に温度を保ちやすいのが特徴です。
調味料を加える順番は好みに合わせて調整する
調味料を一度に入れても問題ない
家庭で手軽に角煮を作る場合は、酒、砂糖、しょうゆ、みりんを一度に加えて煮込んでも問題ありません。
調味料を一度に入れる方法は手順が簡単で、味の再現もしやすいメリットがあります。
しょうゆを後から加える方法もある
しょうゆの香りをできるだけ残したい場合は、酒や砂糖などで少し煮てから、しょうゆを加える方法もあります。
ただし、「砂糖を先に入れれば必ず甘味が肉の内部まで入りやすくなる」というわけではありません。
調味料を加える順番よりも、煮汁の濃さや加熱時間、煮汁に浸しておく時間などを意識することが大切です。
ゆで卵を加える場合のポイント
煮込みの後半から加える
角煮と相性のよい具材のひとつが、ゆで卵です。
殻をむいたゆで卵は、角煮を煮込む後半に加えるとよいでしょう。
最初から長時間煮ると黄身が硬くなりやすいため、仕上げの20〜30分程度で加えるのがおすすめです。
途中で卵の向きを変えると、表面全体に煮汁の色が付きやすくなります。
火を止めたあと煮汁に浸してもよい
しっかり味の付いた煮卵にしたい場合は、火を止めたあとも煮汁に浸しておく方法があります。
長く加熱するのではなく、煮汁に浸して休ませることで、卵の表面に味をなじませることができます。
土鍋の角煮をやわらかく仕上げるコツ
強火で煮続けない
角煮をやわらかく仕上げるうえで、火加減は重要です。
強火でグラグラ煮込み続けるのではなく、一度煮立ったら弱火に落とします。
土鍋は保温性が高いため、弱火でも鍋の中を温かい状態に保ちやすい特徴があります。
穏やかな加熱を続けることで、肉の形を残しながらじっくり火を通せます。
煮込み時間だけでなく肉の状態を見る
レシピに書かれている加熱時間は、あくまで目安です。
同じ500gの豚バラ肉でも、肉の厚さや切り方によってやわらかくなるまでの時間は変わります。
竹串や箸を刺し、抵抗が少なくスッと入る程度になっているか確認しましょう。
まだかたい場合は、水分量を確認しながら弱火で追加加熱します。
加熱と休ませる工程を組み合わせる
土鍋の特徴を生かすなら、弱火で煮込み続けるだけでなく、途中で火を止めて休ませる方法も有効です。
例えば、30〜40分程度弱火で煮たあとに火を止め、30分程度休ませます。
その後、肉の状態を確認して必要であれば再び20〜30分程度弱火で加熱します。
このように加熱と休ませる工程を組み合わせると、土鍋の保温性を活用できます。
参考サイト
一度冷ましてから温め直すのもおすすめ
煮汁に浸したまま休ませる
完成した角煮は、すぐに食べてもおいしいですが、火を止めてから煮汁に浸したまましばらく休ませるのもおすすめです。
時間を置くことで煮汁と豚肉の味が全体になじみやすくなります。
食べる直前に再び弱火で温めれば、味のまとまった角煮を楽しめます。
翌日に食べる場合は適切に冷蔵する
角煮は翌日に温め直して食べることもできます。
ただし、土鍋は保温性が高いため、鍋ごと長時間室温に置いておくのは避けましょう。
保存する場合は長時間常温に放置せず、適切に冷ましてから冷蔵庫で保存します。
大量に作った場合は、清潔な保存容器に小分けすると温度を下げやすくなります。
使用している土鍋によっては、熱いまま冷蔵庫へ入れることが推奨されていない場合もあるため、取扱説明書も確認してください。
角煮の脂っぽさを抑える方法
冷やして固まった脂を取り除く
豚バラ肉には多くの脂が含まれています。
角煮を一度冷蔵すると、煮汁の表面に脂が白く固まることがあります。
この脂をスプーンなどで取り除いてから再加熱すると、コクを残しながらも比較的すっきりした味わいに仕上げられます。
脂が重たく感じやすい人にもおすすめの方法です。
下ゆでと組み合わせるとよりさっぱりする
より脂を控えたい場合は、最初の下ゆでと、冷却後の脂取りを組み合わせると効果的です。
豚バラ肉のコクを残しつつ、煮汁の表面に浮いた余分な脂を減らせます。
煮汁をおいしく仕上げるコツ
最初から濃くしすぎない
角煮の煮汁は、煮込んでいる間に水分が蒸発して濃くなります。
そのため、最初から濃い味付けにすると、完成時に塩味が強くなりすぎることがあります。
特にしょうゆを多く入れすぎると、煮詰まったときに味が濃くなりやすいため注意しましょう。
まずは少し控えめな濃さで煮込み、最後に味を確認して調整する方法がおすすめです。
煮汁に照りを付けるなら最後に煮詰める
肉が十分にやわらかくなったあと、ふたを外して煮汁を少し煮詰めると、角煮に照りが付きます。
ただし、砂糖やみりんを含んだ煮汁は水分が少なくなると焦げやすくなります。
仕上げは鍋のそばを離れず、弱火から中弱火程度で様子を見ながら行いましょう。
大根を加えて角煮を作る方法
大根は下ゆでしてから加えると作りやすい
角煮には大根もよく合います。
大根を入れる場合は、厚めの輪切りや半月切りにして下ゆでしてから、味付けした角煮の鍋に加えると作りやすくなります。
あらかじめやわらかくしておくことで、豚肉が十分にやわらかくなるまで待たなくても、大根を食べやすい状態に仕上げられます。
豚肉のうま味を含んだ煮汁が大根に染み込み、角煮とは違った食感も楽しめます。
土鍋で角煮を作るときの注意点
空焚きや煮汁の減りすぎに注意する
土鍋には、空焚きに向いていない製品があります。
角煮の煮汁には砂糖やみりんが入っているため、水分が少なくなると焦げ付きやすくなります。
煮込み中はときどき煮汁の量を確認し、少なくなりすぎた場合は水や下ゆで汁を少量加えて調整しましょう。
なお、空焚き可能かどうかは土鍋によって異なります。
使用前に製品の取扱説明書を確認してください。
急激な温度変化を避ける
土鍋は急激な温度変化によってひび割れる可能性があります。
熱くなった土鍋へ冷水を大量に注いだり、加熱直後の土鍋を冷たい場所へ置いたりするのは避けましょう。
煮汁を足す場合は、常温または温かい水やだしを使うと安心です。
また、対応している熱源も製品によって異なります。
直火専用のものだけでなくIH対応の商品もあるため、使用している土鍋の仕様に従って調理しましょう。
土鍋で角煮をおいしく作るポイントを押さえよう
土鍋で角煮をおいしく作るポイントは、強火で長時間煮続けるのではなく、弱火と余熱を上手に組み合わせることです。
豚バラ肉を下ゆでして余分な脂やアクを取り除き、調味料を加えて弱火で穏やかに煮込みます。
途中で火を止めて休ませたり、完成後に煮汁へ浸したまま置いたりすると、土鍋の保温性を生かしながら味をなじませることができます。
また、レシピに記載された時間だけで判断するのではなく、竹串がスッと入る程度まで豚肉がやわらかくなっているか確認することも大切です。
「弱火で穏やかに煮る」「肉の状態を見ながら加熱する」「余分な脂を取り除く」「煮汁に浸して休ませる」の4点を意識すると、脂のくどさを抑えながら、やわらかく味のなじんだ角煮に仕上げやすくなります。
ゆで卵や大根を加えれば、豚肉のうま味を含んだ煮汁まで余すことなく楽しめます。
土鍋ならではの保温性を活用しながら、家庭でもじっくり味わい深い角煮を作ってみてください。
以上、角煮を土鍋で作る方法やおいしく仕上げるコツについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
