本格的な角煮を作るポイントは、豚バラ肉をいきなり濃い味で煮込むのではなく、下処理と味付けを分けて行うことです。
豚バラ肉の表面を焼いて香ばしさを加え、下ゆでで余分な脂や臭みを落としてから、しょうゆや砂糖、酒などを使った煮汁でじっくり煮込みます。
時間はかかりますが、一つひとつの工程を丁寧に行うことで、脂身はとろりとやわらかく、赤身はほろっとほぐれる角煮に仕上げやすくなります。
本格的な角煮に必要な材料
基本の材料
4人分程度を作る場合は、次の材料を目安にするとよいでしょう。
- 豚バラ肉のかたまり:600~800g
- 長ねぎの青い部分:1本分
- しょうが:20~30g
- 水:適量
- 酒:100ml程度
- しょうゆ:大さじ4~5
- 砂糖:大さじ3~4
- みりん:大さじ2~3
調味料の割合にはさまざまな配合があるため、この分量が唯一の正解というわけではありません。
甘めが好きなら砂糖やみりんを増やし、すっきりした味にしたい場合は砂糖を控えるなど、好みに合わせて調整できます。
豚バラ肉はかたまり肉を使う
角煮には、脂身と赤身が層になった豚バラ肉のかたまりが向いています。
豚バラ肉は長時間加熱すると脂身がやわらかくなり、赤身にもコクのある味が加わります。
購入するときは、脂身だけに偏りすぎず、赤身とのバランスがよいものを選ぶと食べやすくなります。
参考サイト
豚バラ肉を大きめに切る
4~5cm程度を目安にする
豚バラ肉は4~5cm角程度の大きさに切ります。
煮込むと肉が縮むため、完成時に食べやすい大きさになるよう、最初はやや大きめに切るのがポイントです。
小さく切りすぎると、長時間煮込んだときに形が崩れやすくなる場合があります。
豚バラ肉の表面を焼く
油をひかずに焼く
フライパンや厚手の鍋を熱し、豚バラ肉の表面を焼きます。
豚バラ肉から脂が出るため、基本的にはサラダ油などを加える必要はありません。
全面に軽く焼き色を付けることで、香ばしい風味が加わります。
また、焼いている途中に出てきた脂を取り除けば、仕上がりの脂っぽさを抑えやすくなります。
焼く工程は必須ではない
角煮には、肉を焼かずにそのまま下ゆでする作り方もあります。
そのため、表面を焼く工程は必ず必要というわけではありません。
香ばしさを加えたい場合や、余分な脂をある程度落としたい場合に取り入れるとよいでしょう。
豚バラ肉を下ゆでする
ねぎとしょうがを加えて煮る
焼いた豚バラ肉を鍋に入れ、肉がしっかり浸かる程度の水を加えます。
そこへ長ねぎの青い部分と薄切りにしたしょうがを加え、火にかけます。
沸騰するとアクが浮いてくるため、丁寧に取り除きましょう。
その後は弱火にし、1時間程度を目安にじっくり下ゆでします。
肉の大きさや厚さによって必要な時間は変わるため、1時間はあくまで目安として考えてください。
強く沸騰させない
下ゆで中にグラグラと激しく沸騰させ続けると、肉同士がぶつかって煮崩れしやすくなります。
また、赤身部分が締まった食感になることもあります。
鍋の中が静かに動く程度の弱火を保ちながら、時間をかけて加熱するのがポイントです。
米や米のとぎ汁を使う方法もある
昔ながらの下ゆで方法
角煮の下ゆででは、水だけでなく、米や米のとぎ汁を使う方法もあります。
米を加えることでゆで汁に適度な粘りが生まれ、肉への熱の当たりを穏やかにしたり、脂や臭みを取り除きやすくしたりする目的があります。
ただし、米やとぎ汁を使わなければおいしく作れないわけではありません。
家庭では、水とねぎ、しょうがだけでも十分に下処理できます。
とぎ汁を使った後は肉を軽く洗う
米のとぎ汁で下ゆでした場合は、肉の表面にぬめりや細かなでんぷんが残ることがあります。
下ゆで後にぬるま湯などで表面を軽く洗ってから味付けすると、煮汁が濁りにくくなります。
下ゆでした肉の脂を取り除く
浮いた脂をすくい取る
下ゆでが終わると、ゆで汁の表面に豚肉から出た脂が浮いてきます。
そのまま調理すると脂っぽい仕上がりになりやすいため、表面の脂は適度に取り除きましょう。
冷やすと脂を取り除きやすい
時間に余裕がある場合は、下ゆでした肉とゆで汁を一度冷ます方法もあります。
冷えると脂が白く固まるため、スプーンなどで簡単に取り除けます。
さらにしっかり脂を取りたい場合は、粗熱を取った後に冷蔵庫で数時間から一晩冷やしてもよいでしょう。
ただし、角煮らしいとろりとした食感を残すため、肉そのものに付いている脂身まで取り除く必要はありません。
煮汁で豚肉を煮込む
下ゆでした豚肉を鍋に戻す
下ゆでした豚肉を鍋に入れ、肉が半分から3分の2程度浸かるくらいの水または下ゆで汁を加えます。
そこへ酒、砂糖、しょうゆ、みりんを加えて煮込みます。
調味料は最初からすべて加えても構いません。
砂糖を先に加え、あとからしょうゆを加える作り方もありますが、本格的な角煮で必ず守らなければならない決まりではありません。
落としぶたをして弱火で煮る
煮汁が沸騰したら弱火にし、落としぶたをして30~60分程度煮込みます。
落としぶたをすることで、少ない煮汁でも肉の表面まで煮汁が回りやすくなります。
途中で必要に応じて肉の上下を返すと、味が均一になじみやすくなります。
ただし、肉が十分やわらかくなってから何度も動かすと崩れやすいため、やさしく扱いましょう。
角煮をやわらかく仕上げるコツ
十分な時間をかけて加熱する
豚肉に含まれる結合組織のコラーゲンは、適切な温度で時間をかけて加熱するとゼラチンへ変化し、肉がやわらかくなっていきます。
そのため、短時間の強火で一気に煮るよりも、弱火でじっくり加熱する方法が角煮には向いています。
煮汁が減りすぎないようにする
長時間煮込んでいると、水分が蒸発して煮汁が濃くなります。
煮汁が減りすぎた場合は、水や湯を少量加えて調整しましょう。
煮汁が濃くなりすぎると、肉の表面だけが塩辛くなることがあります。
煮た後は煮汁に浸したまま休ませる
一度休ませると味がなじみやすい
煮込みが終わったら、火を止めて肉を煮汁に浸したまま休ませます。
料理では「冷めるときに味が染み込む」と表現されることがありますが、味の移動は加熱中にも起こっています。
そのため、「冷ますことで初めて味が入る」というわけではありません。
ただし、煮汁に浸した状態で時間を置くことで、全体の味がなじみやすくなります。
翌日に食べるのもおすすめ
作った角煮は、粗熱を取ってから冷蔵庫で保存し、翌日に温め直して食べる方法もあります。
冷蔵すると表面の脂が固まるため、余分な脂を簡単に取り除けます。
その後、弱火でゆっくり温め直すと、濃厚でありながら脂っぽさを抑えた角煮に仕上げやすくなります。
参考サイト
煮込み料理を楽しむために~ウェルシュ菌による食中毒にご注意を!!~|農林水産省
煮汁を煮詰めて照りを出す
肉を取り出して煮汁を煮詰める
角煮にしっかりとした照りを付けたい場合は、肉が十分やわらかくなったところで一度取り出します。
残った煮汁を中火程度で煮詰め、好みの濃さになったら肉を戻して煮汁をからめます。
こうすることで、肉を長時間強火にさらさずに、煮汁の濃度だけを調整できます。
ただし、この工程も必須ではありません。
煮汁の量や濃さがすでに好みの状態であれば、そのまま盛り付けても問題ありません。
ゆで卵を加える場合
煮込みの後半に加える
角煮にゆで卵を加える場合は、殻をむいた卵を味付け後半の煮汁に入れます。
卵を長時間強く煮続けると、白身が硬くなりやすいため注意してください。
20~30分ほど煮た後、煮汁に浸した状態で休ませると味がなじみやすくなります。
大根を加える場合
下ゆでしてから煮汁に加える
角煮と大根を一緒に煮る場合は、大根を2~3cm程度の厚さに切り、あらかじめ下ゆでしておくと仕上がりが安定します。
下ゆでした大根を味付けした煮汁に加えると、豚肉のうま味を吸ったやわらかい大根になります。
圧力鍋で本格的な角煮を作る方法
煮込み時間を短縮できる
長時間煮込む時間を短縮したい場合は、圧力鍋を使用する方法もあります。
圧力をかけて加熱することで、通常の鍋より短い時間で豚バラ肉をやわらかくできます。
ただし、圧力調理だけでは煮汁が十分に煮詰まらないことがあります。
圧力を抜いた後にふたを外し、通常の加熱で煮汁の濃さや照りを調整するとよいでしょう。
本格的な角煮が硬い場合の原因
加熱時間が足りない
角煮の赤身が硬い場合は、十分に加熱されていない可能性があります。
肉の大きさによっては、さらに弱火で加熱することでやわらかくなることがあります。
ただし、強火で煮汁を激しく沸騰させ続けるのではなく、静かに煮込むことが大切です。
本格的な角煮が脂っぽい場合の対処法
下ゆでと脂取りを丁寧に行う
豚バラ肉はもともと脂が多いため、下処理が不十分だと重たい味になりやすくなります。
表面を焼いて脂を落としたり、下ゆでをしたり、冷やして固まった脂を取り除いたりすると、脂っぽさを抑えられます。
すべての方法を必ず行う必要はありませんが、脂が気になる場合は複数の方法を組み合わせると効果的です。
本格的な角煮が味濃くなるのを防ぐ方法
最初から煮汁を濃くしすぎない
長時間煮込む料理では、水分が蒸発することで徐々に味が濃くなります。
そのため、調理開始時点から濃すぎる味付けにすると、完成時に塩辛くなることがあります。
最初はやや控えめな味にしておき、最後に煮汁を煮詰めながら調整すると失敗しにくくなります。
本格的な角煮は下処理と弱火調理がポイント
本格的な角煮をおいしく仕上げるには、豚バラ肉の下処理と火加減が重要です。
豚バラ肉を必要に応じて焼き、ねぎやしょうがと一緒に下ゆでして余分な脂や臭みを取り除きます。
その後、しょうゆ、酒、砂糖、みりんなどを使った煮汁で弱火でじっくり煮込みましょう。
煮上がった後は煮汁に浸したまま休ませると、味が全体になじみやすくなります。
さらに照りを出したい場合は、最後に煮汁だけを煮詰めて肉へからめる方法もおすすめです。
焼く、米やとぎ汁を使う、一晩冷やすといった工程は、本格的な角煮を作るための選択肢ではありますが、必須ではありません。
基本となる「下ゆでで余分な脂を落とす」「十分な時間をかけてやわらかくする」「味付け後は煮詰めすぎない」というポイントを押さえることで、家庭でもやわらかくコクのある本格的な角煮を作ることができます。
以上、本格的な角煮の作り方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
