角煮は一般的に豚バラのブロック肉を使って作りますが、豚バラなどの薄切り肉でも角煮風の料理を作ることができます。
薄切り肉をそのまま煮るだけでは、通常の角煮のような厚みや食べ応えは出にくいため、数枚を重ねて巻いたり、折りたたんだりしてボリュームを出すのがポイントです。
ブロック肉に比べて火が通りやすく、長時間の下ゆでや煮込みが不要なので、短時間で角煮風の味わいを楽しみたいときにも向いています。
薄切り肉で角煮を作るメリット
短時間で仕上げやすい
薄切り肉はブロック肉よりも厚みがないため、火が通るまでの時間を短縮できます。
一般的な角煮では、肉をやわらかくするために長時間煮込むことがありますが、薄切り肉なら比較的短時間でもやわらかく仕上げやすいのが特徴です。
ただし、何枚も重ねて太く巻いた場合は中心まで火が通るのに時間がかかります。
加熱時間だけで判断せず、最も厚い部分まで十分に火を通すことが大切です。
やわらかな食感に仕上がりやすい
豚バラ薄切り肉は脂身を多く含んでいるため、短時間の加熱でもパサつきにくく、ジューシーに仕上げやすい食材です。
何枚か重ねて巻くことで、肉と脂の層ができ、口の中でほぐれるような食感になります。
ただし、ブロック肉を長時間煮込んだ本来の角煮とは食感が異なります。
薄切り肉で作る場合は「巻き角煮」や「角煮風」と考えるとよいでしょう。
薄切り肉で作る角煮風レシピ
材料
2〜3人分の目安は以下のとおりです。
- 豚バラ薄切り肉:300〜400g
- 片栗粉:適量
- サラダ油:少量
- 水:200ml程度
- 酒:50ml
- しょうゆ:大さじ3
- 砂糖:大さじ2
- みりん:大さじ2
- しょうが:1片
好みに応じて、ゆで卵や大根、長ねぎなどを加えてもよく合います。
しょうゆの濃さや煮詰め具合によって味は変わるため、最後に味を確認しながら調整してください。
薄切り肉を重ねて巻く
豚バラ薄切り肉を2〜4枚程度重ね、端からきつめに巻いていきます。
空気が入らないようにしっかり巻くことで、加熱したときに形が崩れにくくなります。
巻いたあとに食べやすい長さへ切ると、角煮のような厚みを出しやすくなります。
表面には片栗粉を薄くまぶしておくと、煮汁が絡みやすくなり、形も多少安定しやすくなります。
ただし、片栗粉だけで肉が完全に固定されるわけではありません。
崩れを防ぐためには、巻き終わりをしっかり焼き固めることが重要です。
巻き終わりから焼く
フライパンに少量の油を入れ、肉の巻き終わりを下にして焼き始めます。
最初に巻き終わりを焼き固めることで、肉がほどけにくくなります。
巻き終わりが固定されたら、転がしながら全体に焼き色を付けます。
豚バラ肉から脂が多く出た場合は、キッチンペーパーなどで適度に取り除くと、仕上がりが脂っぽくなりすぎません。
調味料を加えて煮る
肉の表面に焼き色が付いたら、水、酒、砂糖、しょうゆ、みりん、薄切りにしたしょうがを加えます。
調味料はまとめて加えても問題ありません。
煮立ったら弱火から弱めの中火にし、落としぶたをして煮ます。
薄切り肉なら長時間煮込む必要はありませんが、巻いた肉の太さによって必要な加熱時間は変わります。
途中で肉を数回転がしながら、全体に煮汁をなじませましょう。
中心までしっかり加熱する
豚肉は中心部まで十分に火を通すことが重要です。
薄切り肉を何枚も巻くと、肉の表面だった部分まで内側に入り込むため、表面に焼き色が付いていても中心まで十分に加熱できているとは限りません。
安全のため、最も厚い部分までしっかり火を通し、中心部75℃で1分以上を目安に加熱してください。
肉を極端に太く巻かないことも、均一に火を通すためのポイントです。
最後に煮汁を煮詰める
肉に火が通ったら落としぶたを外し、煮汁を軽く煮詰めます。
肉を転がしながら煮汁を絡めると、表面につやが出て、角煮らしい見た目になります。
片栗粉をまぶしている場合は煮汁に自然なとろみが付きやすいため、煮詰めすぎには注意しましょう。
煮汁を煮詰めすぎると、しょうゆや砂糖の濃度が高くなり、塩辛くなったり甘すぎたりすることがあります。
薄切り肉を角煮らしく仕上げるコツ
豚バラ薄切り肉を使う
角煮らしいコクやジューシーさを出したい場合は、豚バラ薄切り肉がおすすめです。
脂身と赤身が層になっているため、巻いたときにもボリュームが出やすく、短時間の煮込みでもやわらかく仕上げやすくなります。
豚ロースなどでも作れますが、脂が少ないため仕上がりは比較的あっさりします。
また、赤身の多い肉は加熱しすぎると水分が抜けて硬くなりやすいため、煮込み時間を長くしすぎないよう注意してください。
肉はきつめに巻く
薄切り肉をゆるく巻くと、煮ている途中でほどけやすくなります。
端から空気を押し出すように、ややきつめに巻くのがポイントです。
一度に何枚も重ねすぎると中心まで火が通りにくくなるため、2〜4枚程度を目安にすると扱いやすくなります。
巻き終わりを先に焼き固める
巻いた肉をフライパンに入れるときは、巻き終わりを下にしてください。
この部分を最初にしっかり焼くことで肉同士が固定され、その後転がしても崩れにくくなります。
どうしても形が崩れる場合は爪楊枝で固定する方法もありますが、食べる前に必ず取り除きましょう。
片栗粉は薄くまぶす
片栗粉を表面に薄くまぶしておくと、煮汁が絡みやすくなり、照りのある仕上がりになります。
ただし、付けすぎると煮汁に強いとろみが付き、角煮というよりあんかけのような状態になることがあります。
全体に薄く付く程度で十分です。
肉を巻かずに作る方法もある
重ねて折りたたむ
肉を巻くのが難しい場合は、薄切り肉を何枚か重ね、折りたたんで厚みを出す方法もあります。
3〜5枚程度を重ねて食べやすい大きさに折り、片栗粉を薄くまぶして焼きます。
その後、甘辛い煮汁で煮れば、簡単な角煮風料理になります。
巻いた場合より形は崩れやすいものの、手軽に作れる方法です。
そのまま甘辛く煮る
角煮らしい形にこだわらなければ、豚バラ薄切り肉をそのまま煮ても構いません。
肉を軽く炒めてから、水、酒、砂糖、しょうゆ、みりん、しょうがなどを加え、短時間煮れば完成します。
仕上がりは角煮というより豚バラの甘辛煮に近くなりますが、ご飯にのせて角煮丼風にする場合などには適しています。
ゆで卵や大根を加える場合のポイント
ゆで卵は煮汁に浸して味をなじませる
ゆで卵を加える場合は、肉に火が通ったあとや煮込みの後半に加えます。
数分煮るだけでも表面には味が付きますが、黄身の近くまでしっかり味をなじませたい場合は、火を止めたあと煮汁の中で冷ますのがおすすめです。
さらに味を染み込ませたい場合は、粗熱を取ってから煮汁ごと冷蔵庫に入れ、数時間置くと味がなじみやすくなります。
大根はあらかじめ火を通しておく
薄切り肉と大根では、やわらかくなるまでに必要な加熱時間が異なります。
生の大根を肉と同時に煮始めると、肉が仕上がっても大根がまだ硬いことがあります。
そのため、大根は下ゆでするか、電子レンジであらかじめ加熱しておくと調理しやすくなります。
参考サイト
だいこんをサラダにして生で食べたら非常に辛いと感じたが、なぜか。|農林水産省
電子レンジでも作れる
薄切り肉の角煮風料理は、電子レンジで作ることもできます。
耐熱容器に巻いた肉と調味料を入れ、ふんわりとラップをして加熱します。
ただし、電子レンジは加熱ムラが生じやすいため、途中で肉の位置や向きを変え、必要に応じて追加加熱してください。
特に巻いた肉は中心部分が加熱されにくい場合があります。
最も厚い部分まで十分に火が通っていることを確認することが重要です。
また、電子レンジだけではフライパンで焼いたときのような香ばしさは出にくいため、角煮らしい風味を重視する場合は、焼いてから煮る方法のほうが向いています。
薄切り肉の角煮と本来の角煮は食感が異なる
豚バラブロックで作る一般的な角煮は、時間をかけて煮ることで肉の結合組織がやわらかくなり、厚い肉ならではのとろけるような食感になります。
一方、薄切り肉で作る場合は、何層にも重なった肉が口の中でほぐれるような食感になります。
味付けや見た目は角煮に近づけられますが、ブロック肉の角煮とまったく同じ食感になるわけではありません。
そのため、料理名としては「薄切り肉の角煮風」「豚バラの巻き角煮」などと表現すると実際の仕上がりに合っています。
薄切り肉なら手軽に角煮風の味を楽しめる
薄切り肉で角煮を作る場合は、豚バラ薄切り肉を数枚重ねてきつめに巻き、巻き終わりから焼き固めたあと、甘辛い煮汁で短時間煮る方法がおすすめです。
ブロック肉のように長時間下ゆでしたり煮込んだりする必要がないため、比較的手軽に作れます。
おいしく仕上げるポイントは、脂身のある豚バラ肉を使うこと、肉を太く巻きすぎないこと、最初に表面をしっかり焼くこと、煮汁を煮詰めすぎないことです。
また、豚肉は中心まで十分に加熱することが欠かせません。
一般的な角煮とは食感が異なりますが、甘辛い煮汁が絡んだやわらかな豚肉を短時間で楽しめる、実用的なアレンジ料理といえるでしょう。
以上、薄切り肉で角煮を作る方法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
