豚ヒレブロックでも、角煮風の煮物を作ることはできます。
ただし、一般的な角煮に使われる豚バラ肉とは肉質が大きく異なるため、同じ方法で長時間煮込むのはおすすめできません。
豚バラ肉は脂肪が多く、じっくり煮込むことで脂身や結合組織がやわらかくなり、角煮特有の濃厚でトロトロとした食感に仕上がります。
一方、豚ヒレ肉は脂肪が少なく、きめが細かい赤身中心の部位です。
そのため、豚ヒレで角煮を作る場合は、長時間煮込んでトロトロにするのではなく、必要以上に加熱せず、しっとり仕上げて甘辛い煮汁を絡めることが重要です。
通常の角煮よりもあっさりした味わいになるため、脂っこい料理が苦手な場合にも向いています。
豚ヒレブロックで作る角煮の材料
2〜3人分なら、次の分量を目安にすると作りやすいでしょう。
豚ヒレ角煮の主な材料
- 豚ヒレブロック:400〜500g
- しょうが:1片
- 長ねぎの青い部分:1本分程度
- ゆで卵:2〜4個
- 水:300〜400ml
ゆで卵は必須ではありません。
大根やこんにゃく、長ねぎなどを加えてボリュームを出すのもおすすめです。
煮汁の調味料
- しょうゆ:大さじ3
- 酒:大さじ3
- みりん:大さじ2
- 砂糖:大さじ2
- 水:300〜400ml
甘めに仕上げたい場合は、砂糖を少し増やして調節します。
しょうゆやみりんは商品によって味の濃さが異なるため、最後に味見をして調整するとよいでしょう。
参考サイト
こいくち醤油(しょうゆ)、うすくち醤油について教えてください。|農林水産省
豚ヒレブロックで角煮を作る方法
豚ヒレ肉を大きめに切る
豚ヒレブロックの表面に銀皮や硬い筋が残っている場合は、包丁で取り除きます。
その後、4〜5cm程度の厚さを目安に切り分けます。
小さく切りすぎると加熱中に水分が抜けやすくなり、パサつく原因になります。
豚ヒレ角煮では、一口サイズよりも少し大きめに切っておくのがポイントです。
豚ヒレ肉の表面を焼く
フライパンを中火で熱し、豚ヒレ肉を入れます。
豚ヒレ肉は脂が少ないため、くっつきやすいフライパンを使用する場合は少量の油を加えてください。
肉を頻繁に動かさず、表面に焼き色がついたら向きを変えます。
全面に軽く焼き目がつけば十分です。
この段階で中心まで完全に火を通す必要はありません。
表面を焼く目的は、肉汁を完全に閉じ込めることではなく、焼き目による香ばしさやコクを加えることです。
煮汁を作る
鍋に水、酒、しょうゆ、みりん、砂糖、薄切りにしたしょうが、長ねぎの青い部分を入れて火にかけます。
砂糖が溶けるように軽く混ぜ、煮汁が温まったら焼いた豚ヒレ肉を加えます。
弱火で豚ヒレ肉を加熱する
肉を加えて煮汁が再び煮立ったら、弱火にします。
落としぶたをして、煮汁の表面が静かに動く程度の火加減で加熱しましょう。
4〜5cm程度に切った豚ヒレ肉であれば、15〜25分程度が一つの目安になります。
ただし、肉の太さや温度、鍋、火力などによって必要な加熱時間は変わります。
そのため、時間だけで火の通りを判断しないことが重要です。
豚肉は中心部まで十分に加熱する必要があります。
家庭で確認する場合は、料理用温度計を使用し、中心部75℃で1分以上を一つの分かりやすい目安にすると安全性を確認しやすくなります。
火を止めて煮汁になじませる
豚ヒレ肉の中心まで十分に火が通ったら、必要以上に煮続けず火を止めます。
そのまま短時間、煮汁の中で休ませると、肉の表面を中心に味がなじみやすくなります。
豚ヒレ肉の場合は、味を染み込ませようとして長時間加熱するよりも、加熱後に煮汁に浸しておくほうが、パサつきを抑えやすくなります。
長時間保存する場合は常温に放置せず、粗熱が取れたら冷蔵庫で保存してください。
煮汁を煮詰めて肉に絡める
より濃厚な味に仕上げたい場合は、豚ヒレ肉を一度取り出します。
残った煮汁を中火で加熱し、好みの濃さになるまで煮詰めます。
最後に豚ヒレ肉を鍋へ戻して煮汁を全体に絡めれば完成です。
豚ヒレ肉そのものを長時間煮込まなくても、煮汁を濃縮することで角煮らしい甘辛い味を楽しめます。
豚ヒレ角煮をやわらかく仕上げるコツ
豚バラ肉のように長時間煮込まない
豚ヒレ角煮をおいしく作るうえで最も重要なのが、加熱しすぎないことです。
一般的な豚バラ角煮では、下ゆでと本煮込みを合わせて長時間加熱するレシピもあります。
しかし、脂肪が少ない豚ヒレ肉に同じ調理方法をそのまま使うと、水分が抜けて硬くなりやすくなります。
中心まで安全に火を通したら、それ以上必要以上に煮込まないことを意識しましょう。
豚ヒレ肉を小さく切りすぎない
豚ヒレ肉を小さく切ると表面積が増えるため、水分が抜けやすくなります。
4〜5cm程度の厚めの塊で調理し、必要であれば完成後に食べやすい大きさへ切り分ける方法がおすすめです。
強火で煮立たせ続けない
強火でグツグツ煮続けると、肉の温度が上がりすぎて水分が失われやすくなります。
一度煮立った後は弱火にし、静かに煮るのが基本です。
加熱時間ではなく中心まで火が通ったかを確認する
「20分煮れば必ず安全」というわけではありません。
肉の大きさや厚み、冷蔵庫から出した直後かどうかなどによって必要時間は異なります。
料理用温度計がある場合は中心温度を測ると、加熱不足と加熱しすぎの両方を防ぎやすくなります。
豚ヒレ角煮は下ゆでしたほうがよい?
豚ヒレ肉は基本的に長時間の下ゆでは不要
豚バラ肉の角煮では、余分な脂やアクを落とすために長時間下ゆでする方法があります。
しかし、豚ヒレ肉はもともと脂肪が少ないため、角煮を作るために長時間下ゆでする必要性は高くありません。
むしろ、
下ゆでを長時間行う
↓
調味液でさらに長時間煮る
という調理方法では、豚ヒレ肉が加熱されすぎる可能性があります。
表面を焼いて香ばしさをつけた後、直接煮汁で加熱する方法のほうが、豚ヒレ肉のしっとりした食感を生かしやすいでしょう。
豚ヒレ角煮に大根を入れる方法
豚ヒレ角煮には大根もよく合います。
ただし、大根と豚ヒレ肉では適した加熱時間が異なるため、入れる順番に注意しましょう。
大根は先にやわらかくしておく
大根を2〜3cm程度の輪切りや半月切りにし、あらかじめ下ゆでしておきます。
竹串がある程度通る状態まで火を入れてから、角煮の煮汁に加えると調理しやすくなります。
大根を先に煮て十分やわらかくしてから豚ヒレ肉を加えれば、肉の加熱時間を必要以上に長くせずに済みます。
生の大根と豚ヒレ肉を最初から一緒に入れ、大根がやわらかくなるまで長時間煮込むと、豚ヒレ肉がパサつく原因になる可能性があります。
豚ヒレ角煮にゆで卵を入れる方法
ゆで卵を加えると、見た目にもボリュームのある角煮になります。
ゆで卵は煮汁に漬けて味をなじませる
ゆで卵はあらかじめ作って殻をむいておきます。
豚ヒレ肉を加熱した後、火を止めてからゆで卵を煮汁に加える方法でも十分です。
卵は長時間煮込まなくても、煮汁に浸しておくことで味がなじみます。
一晩置く場合は常温ではなく、粗熱を取ってから冷蔵庫に入れて保存してください。
豚ヒレ角煮に圧力鍋は使える?
豚ヒレ肉でも圧力鍋は使用できますが、豚バラ角煮と同じような長時間の加圧は避けたほうがよいでしょう。
豚ヒレ肉は長時間加圧する必要がない
豚ヒレ肉は、もともと比較的やわらかい部位です。
長時間加圧しても豚バラ肉の脂身のようにトロトロになるわけではなく、かえって水分が抜けてパサつく可能性があります。
圧力鍋を使いたい場合は、大根など加熱に時間がかかる具材を先に調理し、豚ヒレ肉は後から加える方法が適しています。
圧力や加熱性能は製品によって異なるため、加圧時間は使用している圧力鍋の説明書も確認してください。
豚ヒレ角煮におすすめの具材
大根
角煮の定番ともいえる具材です。
甘辛い煮汁を吸った大根は豚ヒレ肉ともよく合います。
豚ヒレ角煮は豚バラ角煮より脂が少ないため、大根も比較的あっさりとした味わいに仕上がります。
ゆで卵
煮汁を吸ったゆで卵を加えると、食べ応えが増します。
豚ヒレ肉を煮た後の煮汁を有効活用できるのもメリットです。
こんにゃく
こんにゃくは低脂質でボリュームを増やしやすいため、豚ヒレ肉との相性がよい具材です。
味をなじませやすくしたい場合は、表面に切り込みを入れたり、手でちぎったりしてから下ゆでしておくとよいでしょう。
長ねぎ
長ねぎを大きめに切って煮ると、甘味が出て煮汁になじみます。
しょうがと一緒に使用すれば、豚肉料理らしい風味も出しやすくなります。
豚ヒレ角煮と豚バラ角煮の違い
豚ヒレ肉で作る角煮は、一般的な豚バラ角煮とは仕上がりがかなり異なります。
豚バラ角煮はトロトロとした濃厚な仕上がり
豚バラ肉には脂肪が多く含まれているため、長時間煮ることで脂身のやわらかさや濃厚なコクを楽しめます。
一般的に「角煮」と聞いて想像する、トロトロとした食感はこちらに近いでしょう。
豚ヒレ角煮はしっとりあっさりした仕上がり
豚ヒレ肉は脂肪が少ないため、豚バラ角煮のような脂身のトロトロ感はありません。
その代わり、赤身肉らしいあっさりとした味わいを楽しめます。
そのため、厳密には「豚ヒレを使った角煮風の煮物」と考えると、仕上がりをイメージしやすいでしょう。
豚ヒレ角煮がパサパサになったときの対処法
豚ヒレ肉を加熱しすぎて硬くなった場合、さらに煮込んでやわらかくしようとするのはおすすめできません。
肉を薄めに切って食べやすくする
硬くなった豚ヒレ肉は、繊維を断つように少し薄めに切ると食べやすくなります。
煮汁をたっぷり絡める
煮汁を少し煮詰めて肉に絡めると、パサつきを感じにくくなります。
水溶き片栗粉で軽くとろみをつけ、あんかけのようにしてもよいでしょう。
大根おろしを添える
大根おろしを添えると、口当たりがさっぱりします。
煮汁を少量かけ、大根おろし、小ねぎ、練りからしなどを添えれば、違った味わいを楽しめます。
豚ヒレブロックで角煮を作るときのポイント
豚ヒレブロックで角煮を作る最大のポイントは、豚バラ角煮のレシピをそのまま使わないことです。
豚ヒレ肉は脂肪が少なく、豚バラ肉のように長時間煮込むことで脂身がトロトロになる部位ではありません。
そのため、
表面を香ばしく焼く
↓
弱火で中心まで十分に加熱する
↓
必要以上に煮込まず火を止める
↓
煮汁を煮詰めて最後に絡める
という流れで作ると、豚ヒレ肉のしっとりした食感を残しやすくなります。
また、豚肉は加熱不足を避けることが重要です。
加熱時間だけに頼らず、可能であれば料理用温度計を使い、中心部まで十分に加熱されていることを確認しましょう。
豚バラ角煮のような濃厚でトロトロの食感にはなりませんが、豚ヒレ肉ならではのあっさりした味わいを生かした、食べ応えのある角煮風料理に仕上げることができます。
以上、豚ヒレブロックで角煮を作る方法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
