角煮は、豚肉を時間をかけて煮込む料理です。
そのため、「何時間も煮込んだらガス代がかなり高くなるのでは?」と気になる方もいるでしょう。
実際のガス代は、使用しているガスの種類や料金プラン、コンロの火力、煮込み時間、鍋の大きさなどによって変わります。
ただし、角煮は調理中ずっと強火を使うわけではなく、沸騰後は弱火で煮込む時間が長いため、都市ガスであれば1回の調理にかかる追加のガス代が数十円程度に収まるケースもあります。
ここでは、角煮を作る際のガス代の考え方や計算方法、ガス代を抑えながらおいしく仕上げるポイントについて詳しく解説します。
角煮を作る際のガス代はどれくらい?
角煮を作る際のガス代は、家庭ごとに条件が異なるため、一律に「○円」と決めることはできません。
一般的な角煮では、豚肉を焼いたり、下ゆでしたり、調味料を加えて煮込んだりするため、合計で1時間半〜3時間ほどコンロを使用する場合があります。
ただし、コンロを使用している時間とガス代が単純に比例するわけではありません。
角煮は弱火で煮込む時間が長い
角煮を作る場合、最初に湯を沸かすときや肉を焼くときには中火〜強火を使います。
一方、煮汁が沸騰したあとは、弱火で静かに煮込むのが一般的です。
例えば、2時間コンロを使用したとしても、2時間ずっと最大火力で加熱しているわけではありません。
そのため、単純に「コンロの最大ガス消費量×2時間」で計算すると、実際よりかなり高いガス代になってしまう可能性があります。
角煮のガス代を考える場合は、調理時間だけでなく、どの程度の火力を何分使用したかも重要になります。
都市ガスなら数十円程度になるケースもある
家庭用の都市ガスコンロで角煮を作る場合、ガス代が数十円程度に収まるケースは珍しくありません。
ただし、「1回20円」「1回50円」などと固定的に考えるのは適切ではありません。
実際の料金は、以下の条件によって変わります。
- ガスコンロの消費量
- 強火・中火・弱火を使用する時間
- 煮込み時間
- 鍋の大きさや素材
- 水や煮汁の量
- 都市ガスまたはLPガスの違い
- 契約しているガス料金
そのため、角煮のガス代については「一般的には数十円程度になることも多いものの、家庭や調理方法によって差がある」と考えるのが適切です。
参考サイト
キッチン|無理のない省エネ節約|省エネポータルサイト(資源エネルギー庁)
角煮のガス代を計算する方法
角煮に実際どのくらいガス代がかかるのか知りたい場合は、ガス使用量と契約している単位料金から計算できます。
都市ガスの基本的な計算方法
都市ガスの追加料金は、基本的に次のように考えられます。
ガス代=使用したガス量(m³)×適用される単位料金(円/m³)
例えば、角煮を1回作るために0.2m³の都市ガスを使用し、適用される単位料金が150円/m³だったとします。
この場合は、
0.2m³×150円=30円
となり、角煮を調理するために増えたガス代は約30円です。
ただし、ガスの単位料金は契約している会社や料金プラン、時期などによって変動します。
正確な料金を知りたい場合は、自宅の検針票や契約しているガス会社の料金表を確認しましょう。
コンロの熱量から使用量を計算することもできる
都市ガス13Aの標準熱量を45MJ/m³として考えた場合、コンロの入力熱量から、おおよそのガス使用量を計算することもできます。
計算式は次のとおりです。
ガス使用量(m³)=コンロの入力熱量(kW)×使用時間(時間)×3.6÷45
例えば、1kW相当のガスを1時間使用した場合は、
1×1×3.6÷45=0.08m³
となります。
つまり、およそ0.08m³の都市ガスを使用する計算です。
ただし、家庭で角煮を作る際は火力を途中で変えるため、実際には強火・中火・弱火それぞれの時間を考慮する必要があります。
そのため、この方法はあくまで概算を出す際の目安として利用するとよいでしょう。
角煮のガス代に基本料金は含める?
家庭のガス料金は一般的に、基本料金と使用量に応じた従量料金によって構成されています。
ただし、「角煮を1回作ったことで、ガス代がいくら増えたのか」を知りたい場合には、基本料金まで含める必要はありません。
追加コストを見るなら従量料金を考える
普段からガスを契約している家庭では、角煮を作らなくても基本料金は発生します。
そのため、角煮を作ったことによる追加費用を考える場合は、
角煮の調理で増えたガス使用量×単位料金
を見るほうが実態に近くなります。
ただし、料金プランによっては使用量によって適用される単価区分が変わる場合もあります。
厳密に計算したい場合は、契約しているガス会社の料金体系を確認してください。
都市ガスとプロパンガスではガス代が違う
角煮のガス代は、都市ガスなのかLPガス(プロパンガス)なのかによっても変わります。
1m³あたりの単価だけで比較してはいけない
都市ガスとLPガスは、1m³あたりに含まれるエネルギー量が異なります。
そのため、
「都市ガスは1m³○円、LPガスは1m³○円だから、LPガスのほうが何倍も高い」
というように、単純に1m³あたりの料金だけを比較するのは適切ではありません。
同じ料理を作る場合でも、必要になる使用量が異なるためです。
LPガスは契約先による料金差が大きい
LPガスは、地域や販売事業者、契約内容などによって料金に差があります。
そのため、LPガスを使用している家庭で角煮の調理費を知りたい場合は、検針票などに記載されている従量単価を確認するのが確実です。
角煮は長時間煮込むほどガス代が高くなる?
基本的には、加熱時間が長くなればガス使用量も増えます。
ただし、「煮込み時間が2倍になればガス代も必ず2倍になる」とは限りません。
火力によってガス使用量が大きく変わる
例えば、
最初の20分は中火、
その後1時間30分は弱火、
という調理方法と、
2時間ずっと中火、
という調理方法では、同じような調理時間でもガス使用量が変わります。
角煮では、煮汁が沸騰したあとに火力を落とせるため、長時間調理であってもガス使用量をある程度抑えることができます。
必要以上に強く沸騰させる必要はない
水を主体とする煮汁は、大気圧下では沸騰後に火力を強くしても、液体の温度が大幅に上昇するわけではありません。
火力を強くすると水分の蒸発量が増えやすくなります。
そのため、角煮は沸騰したあと、
表面が静かにフツフツする程度
まで火を弱めるのが基本です。
強火のまま煮込み続ける必要はありません。
角煮のガス代を節約する方法
角煮は調理時間が長い料理ですが、いくつかのポイントを意識するだけで、無駄なガス消費を抑えることができます。
沸騰したら弱火にする
最も基本的な方法は、煮汁が沸騰したら火力を落とすことです。
沸騰後も強火や中火のまま加熱し続けると、必要以上にガスを消費する可能性があります。
角煮では、激しく煮立てる必要はありません。
弱火で穏やかな状態を維持することが、ガス代の節約だけでなく、肉を煮崩れさせにくくするうえでも役立ちます。
鍋底から炎をはみ出させない
ガスコンロでは、火力を強くすれば必ず効率よく加熱できるわけではありません。
鍋底から炎が大きくはみ出していると、熱の一部が鍋に伝わらず、周囲へ逃げてしまいます。
鍋底の大きさに合わせて火力を調整し、炎が大きくはみ出さないようにしましょう。
ふたを利用する
煮込み中にふたをすると、鍋から逃げる熱や水蒸気を抑えやすくなります。
その結果、少ない火力でも鍋の温度を維持しやすくなります。
角煮を長時間煮込む場合には、ふたを利用することでガス使用量の削減につながる可能性があります。
ただし、煮汁を煮詰めたい最後の工程では、ふたを外したほうが適しています。
調理工程に応じて使い分けましょう。
必要以上に水を入れすぎない
大量の水を入れると、その分だけ沸騰させるために多くのエネルギーが必要になります。
レシピに指定されている量を目安にし、必要以上に大量の水を入れないこともポイントです。
ただし、水を極端に減らすと焦げ付きやすくなったり、肉全体を均一に煮込めなくなったりする可能性があります。
単純に少なくすればよいわけではありません。
鍋の大きさを調理量に合わせる
少量の角煮を作るのに極端に大きな鍋を使用すると、鍋そのものを温めるための熱が増えたり、必要な煮汁量が増えたりする場合があります。
肉の量に合ったサイズの鍋を選ぶことも効率的な調理につながります。
圧力鍋を使うとガス代を抑えやすい
角煮の加熱時間を短縮したい場合は、圧力鍋が便利です。
圧力を利用して短時間で肉を柔らかくできる
圧力鍋は、鍋内部の圧力を高めることで水の沸点を高くし、通常の鍋より高い温度で調理できます。
そのため、一般的な鍋で長時間煮込むより、短い加熱時間で豚肉を柔らかくできる場合があります。
火を使用する時間そのものを短縮しやすいため、ガス代の節約にもつながります。
ただし、必要な加圧時間は圧力鍋の種類、肉の大きさ、レシピなどによって異なります。
使用する製品の取扱説明書や推奨レシピを確認してください。
火を止めたあとの余熱も利用できる
圧力鍋は火を止めたあとも、内部に熱と圧力が残っています。
自然に圧力が下がるまで待つ工程を利用すれば、ガスを使用せずに加熱を継続できます。
角煮のように長時間加熱する料理では、こうした余熱利用も効率的です。
参考サイト
圧力鍋を安全に正しく使用しましょう! ―入れ過ぎに注意、蓋の洗浄が重要です―|消費者庁
普通の鍋でも余熱調理はできる
圧力鍋を持っていなくても、余熱を利用してガス使用時間を減らす方法があります。
一度火を止めて休ませる
例えば、
ある程度煮込む
↓
火を止める
↓
ふたをしてしばらく休ませる
↓
再度加熱する
という方法です。
厚手の鍋であれば熱を保持しやすいため、火を止めたあともしばらく温度が保たれます。
ただし、安全上、加熱途中の食品を長時間ぬるい温度帯に放置する方法はおすすめできません。
余熱調理を行う場合も、食品衛生に配慮し、必要に応じて十分に再加熱してください。
前日に角煮を作るとガス代を抑えやすい?
角煮は前日に作っておくこともできます。
前日にある程度煮込んでから火を止め、適切に冷却して冷蔵保存しておけば、翌日に再加熱して仕上げられます。
長時間煮続けなくても味をなじませやすい
角煮は、長時間ずっと火にかけ続けなければ味がなじまないわけではありません。
煮たあとに煮汁の中で休ませることで、味が全体になじみやすくなります。
そのため、
「柔らかくなるまで最低限加熱する」
「その後は火を止めて休ませる」
という方法を取り入れることで、不要な長時間加熱を減らせる可能性があります。
冷蔵すると余分な脂も取り除きやすい
豚バラ肉を使用した角煮では、煮汁に多くの脂が浮きます。
冷蔵すると脂が白く固まるため、翌日に取り除きやすくなります。
そのため、前日に作る方法は、ガス代だけでなく調理のしやすさという点でもメリットがあります。
電気圧力鍋とガスコンロはどちらが安い?
電気圧力鍋を持っている場合、ガスコンロとどちらの光熱費が安いのか気になることもあるでしょう。
結論としては、どちらが必ず安いとはいえません。
電気料金とガス料金によって変わる
電気圧力鍋の調理費は、
消費電力
加熱時間
電気料金単価
によって決まります。
一方、ガスコンロは、
ガス消費量
加熱時間
ガス料金単価
によって決まります。
契約している電気・ガス料金によって結果が変わるため、一概には比較できません。
電気圧力鍋は加熱時間を短縮しやすい
電気圧力鍋は、密閉した状態で高圧調理できるため、通常の鍋で長時間煮込む場合より加熱時間を短縮できることがあります。
また、火力を自動制御する製品も多いため、調理中に火加減を調整する手間が少ない点もメリットです。
ただし、光熱費を数十円節約するためだけに新しく高価な調理家電を購入すると、購入費を回収するまでに時間がかかります。
すでに持っている場合に活用する程度で考えるとよいでしょう。
ガス代を節約するために煮込み時間を極端に短くする必要はない
角煮のガス代を気にするあまり、十分に加熱する前に火を止めてしまうのはおすすめできません。
角煮では、豚肉を柔らかく仕上げるために一定の加熱時間が必要です。
特に豚肉を調理する際は、中心部まで十分に加熱することが重要です。
そのため、ガス代を節約するなら、
必要な加熱を削るのではなく、無駄な強火を避ける
という考え方がおすすめです。
沸騰後に弱火にする、ふたを活用する、余熱を利用するなど、料理の仕上がりを損なわない方法で節約しましょう。
角煮のガス代を抑えるポイントまとめ
角煮を作る際のガス代を抑えたい場合は、次のポイントを意識するとよいでしょう。
- 沸騰したら弱火にする
- 鍋底から炎を大きくはみ出させない
- 煮込み中は必要に応じてふたをする
- 調理量に合った鍋を使う
- 水を必要以上に入れすぎない
- 厚手の鍋で余熱を活用する
- 圧力鍋があれば利用する
- 前日に作り、休ませる時間を活用する
- 必要以上に何時間も煮込み続けない
特に重要なのは、沸騰後に火力を下げることです。
角煮は強火でグツグツ煮続ける必要がないため、弱火を上手に利用することで、料理の仕上がりを保ちながらガス使用量を抑えられます。
まとめ
角煮は1時間半〜3時間ほどコンロを使用することもある料理ですが、調理中ずっと強火を使用するわけではありません。
沸騰後は弱火で煮込む時間が長いため、都市ガス家庭では、1回の調理によって増えるガス代が数十円程度に収まるケースもあります。
ただし、具体的なガス代は、コンロのガス消費量や火力、煮込み時間、契約しているガス料金によって異なります。
正確に知りたい場合は、
ガス使用量×契約している単位料金
を基準に計算するとよいでしょう。
また、ガス代を抑えるために必要な加熱まで削る必要はありません。
沸騰後に弱火へ切り替える、ふたを利用する、余熱を活用する、圧力鍋を使うといった方法を取り入れれば、角煮のおいしさを保ちながら無駄なガス使用量を減らすことができます。
以上、角煮を作る際のガス代についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
